男子代表候補:中村輪夢

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ここからは中村輪夢選手と出口智嗣ヘッドコーチを交えた記者会見でのコメントを紹介していく。

最終的にはメンタル

中村輪夢, 出口智嗣, 2024 BMXフリースタイル代表記者発表

出口智嗣ヘッドコーチ、中村輪夢

中村:東京オリンピックで悔しい思いをしたので、終わった時から「パリが次の目標」と思っていました。出場が決まって嬉しいですが、ここがゴールではありません。今回こそ良い結果を持って帰れたらと思います。

出口智嗣, 2024 BMXフリースタイル代表記者発表

出口智嗣ヘッドコーチ

出口:BMXフリースタイルで2大会連続出場は、輪夢を含めて3人だけ。とても価値のあることだなと思っています。パリを目指した日本のライダーたちにとって輪夢はお兄ちゃんで、すごく良い刺激を与える存在。彼らの分も、パリで望む結果を出してほしいと思います。

Q:東京オリンピックからここまでを振り返っていかがでしょうか。

中村輪夢, 2024 BMXフリースタイル代表記者発表

中村輪夢

中村:東京からここまでで、メンタルや技術、いろんなものが成長したと思います。まあ成長しなくちゃダメなんですけど(笑)
BMXって技とか色々やるけど、最終的にはメンタルが大事な種目だと思っています。

出口:輪夢はみんなに平等に接する人で、ムードメーカーでもある。緊張してる時に勝手にはっちゃけたりしてたんですが、最近はすごく良い顔に変わったなと感じます。素直に笑顔を出して「行ってきます」と言うような感じ。それが彼の言うメンタルの部分なんだなと思うし、ここまでの努力で出来上がってきてるなと感じますね。

HUMAN MADEとオフィシャルサプライヤー契約

Q:ちょうど本日、HUMAN MADEとのオフィシャルサプライヤー契約が発表されました。今日も紺を基調としたHUMAN MADEのウェアを着ていらっしゃいます。

「競技服としての固定概念を壊し、機能先行ではなく選手自身が本当にかっこいいと思うスタイルで、モチベーション高く競技に望めるようにしたい。そしてファッションを含めた選手の個性を通じ、新しいカルチャーを発信することこそがBMXフリースタイルがスポーツとして目指すことである」という競技に対する姿勢と理念に共感し、この度、HUMAN MADE株式会社はウエアのサポートを決定しました。同じくストリートにルーツを持ち、新たなカルチャーを生む起爆剤となることを目指すHUMAN MADEとして、日本代表チームをサポートしていきます。

プレスリリース「HUMAN MADEがBMXフリースタイル日本代表チームをサポート」より

中村:HUMAN MADEとBMXは「ストリート」という部分で繋がりがあります。素材や着心地もそうですが、「ストリートの気持ち」という部分で着ていてテンションが上がりますね。色もバリエーションがあって、その辺りも楽しみになっています。

出口:さまざまなウェアブランドからオファーがあったんですが、スポーツブランドよりは、ストリートカルチャーのブランドとやるのが筋として「合ってる」のかなと思います。世界中のBMXが「スポーツに飲み込まれている」という変化に直面しており、僕自身も飲み込めきれていない部分がある。そういう局面だからこそ、BMXはBMXと同じカルチャーのある企業に支えていただくのが良いかなと感じています。

ウェアデザインを作っていただいて、ライダーたちも「すごくテンション上がるっす〜!」って反応(笑)間違ってなかったなと感じます。

日本、そして地元京都を背負う

Q:バイクとヘルメットについてもご紹介をお願いします。

中村:この自転車は、実はまだ乗り出して3、4日くらい。前回の東京の時も同じカラーリングで組みましたが、今回も「日本を背負う」ということで白赤で組みました。ヘルメットは以前から使っているのと同じデザインですが、京都をイメージさせるデザインにしています。

京都生まれ京都育ちで、京都が大好き。日本もそうですが、京都を背負う気持ちも持ってかましていきたいと思います。

コンコルド広場で開催

Q:大会はパリ・コンコルド広場で行われます。本番に向けての意気込みを聞かせてください。

中村:BMXをかっこいいと思っていますし、もっとたくさんの人にやってもらいたいと思っています。「僕が東京で勝っていれば、多くの人に知ってもらえていたかもしれない」という点で責任は感じています。東京オリンピックで新技を出したいと思ってたんですが、それを出せずに終わってしまいました。

今回も新技を、「世界の誰もやっていない、自分にしかできない技」をコンコルド広場で出したいと思っています。縦回転の技と横回転の技をひとつずつ考えてはいるんですが、コースがまだ発表されてないから……(笑)「なかったらどうしよう」ですが、あると信じて練習しています。

TOKYO, JAPAN - AUGUST 01: Rim Nakamura of Team Japan competes in the Men's Park Final, run 2 of the BMX Freestyle on day nine of the Tokyo 2020 Olympic Games at Ariake Urban Sports Park on August 01, 2021 in Tokyo, Japan. (Photo by Jamie Squire/Getty Images)

東京の際は無観客開催。でも自分は盛り上がっている方が、逆に緊張しないタイプです。BMXというエンターテイメントで盛り上げていきたいですし、盛り上げた方がジャッジ面でも良い。パリのお客さんを盛り上げたいなと思います。

アントニー・ジャンジャン(Anthony Jeanjean/フランス)なんかは最近よく勝ってますし、今回は彼のホーム。ここで倒したらヒーローになれるんじゃないかなと思ってます。

アンソニー・ジャンジャン, SHANGHAI, CHINA - MAY 18: Gold medalist Anthony Jeanjean of France pose for a photo during the medal ceremony for the Cycling BMX Freestyle Men's Park Final on day three of the Olympic Qualifier Series Shanghai on May 18, 2024 in Shanghai, China. (Photo by Lintao Zhang/Getty Images)

アントニー・ジャンジャン

もちろん結果は大事ですが、まずは自分のことに集中。自分の1分間を走り切るということが一番です。ベストを走りきれば結果はついてくると信じています。

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