2022年のBMXレーシング、日本チャンピオンに輝いたのは男子エリートクラスで初優勝の島田遼(GAN Trigger)、そして女子は2年ぶり3回目の優勝となる丹野夏波(早稲田大学)となった。この記事ではエリートクラスのレースを中心に大会を振り返る。
2022年10月30日、大阪の大泉緑地公園にてBMXレーシングの全日本選手権が開催された。秋晴れの下、エントリーした選手たちはエリートからキッズカテゴリーを含め250人超え。その中で男子エリートは10人のエントリー、女子エリートには4人と、少数ながらも精鋭が揃ってレースが行われた。
BMXレーシングとは?
およそ40秒で1レースを走り切るハイスピードレース。スタートダッシュでレースの主導権を握り、コブやターンを超えてフィニッシュラインを駆け抜ける。
男子エリート:初優勝の島田が戴冠
父親も同日に戴冠の偉業達成
2020年の東京オリンンピック大会後に、BMXレーシングを引退した長迫吉拓。空いた王座を得たのは前回王者は松下巽(全日空商事)だった。
今大会はディフェンディングチャンピオンの松下に加え、2022アジア選手権を制した島田遼(GAN Trigger)、同大会を2019年に優勝した吉村樹希敢(GAN Trigger)など強豪が出場した。U-23カテゴリーの世界選手権で銅メダルを獲得し、今大会でも活躍が期待されていた中井飛馬はエントリーしたのもの欠場。男子エリートクラスは9人で争われた。
決勝まで勝ち上がったのは7人。
メンバーはインから:
島田遼(GAN Trigger)
山口大地(モトロクロスインターナショナル)
桑野孝則(モトロクロスインターナショナル)
吉村樹希敢(GAN Trigger)
松下巽(全日空商事)
吉井康平(Cactus&co.)
深川匠
レースはスタートダッシュで島田がトップで第1ターンへ。
集団のトップで第1ターンを抜けると、外から並走気味に入ってきた吉村をけん制しながら先頭をキープ。第2ターンを抜けると吉村が並びかけてくるが、最終ターンを抜けてのリズムセクションで吉村を突き放し、単独でゴールラインを駆け抜け、優勝を決めた。
島田はエリートクラスで自身初となる日本タイトルの栄誉を獲得。
加えて、このレースの前に実施されていた男子35オーバーのクラスでは島田の父親である島田忠彦(S-PRO BMX CLUB)も優勝し、親子同時に日本タイトルを獲得するという快挙を家族で成し遂げた。
男子エリートクラスの2位は吉村樹希敢(GAN Trigger)、3位には山口大地(モトロクロスインターナショナル)。
今大会が国内で初の日本チャンピオンを決めるU-23で優勝したのは増田優一(大阪体育大学)。
ジュニアを制したのは木内彪凱(モトクロスインターナショナル)。
島田遼選手 インタビュー
Q:今の感想はいかがでしょうか?
まだ嬉しいという気持ちしかないですが、これからのレースでこのタイトルの重みが分かるのかなと思います。
Q:海外で活動している中で、このタイトルに懸ける想いなどは?
内容も重要ですが、優勝を勝ち獲りたいという気持ちで戦っていましたし、実現することが出来て嬉しいです。
Q:ベテランが揃った中でのレースでした。難しかったですか?
内容としては自分で納得できるレースではありませんでした。決勝で実力を発揮できたところは良かったのですが、それ以外が良くないところがありました。出場しなかった中井飛馬選手のことや、海外での大会のことを考えるとまだまだな部分ばかりなので、引き続きレベルアップに向けてトレーニングをしていきたいです。
Q:後ろからの追い上げもある中で勝ちきれました。どういった点を評価できますか?
予選3本を走り、ずっと吉村選手と一緒で一回も勝てませんでした。ただ、自分のミスで抜かれていたことが冷静に分かっていたので、スタートで前に出て、ミスをしないという気持ちを持って走れば勝てると分かっていました。決勝でまとめられたことが良かったと思います。
Q:オリンピックに向けてこれから日本チャンピオンとして戦う意気込みを教えて下さい。
もちろん国旗を背負ってということもありますが、今まで通り1レースずつ向き合って、勝てるように戦っていければと思います。
Q:オーバー35カテゴリーではお父さんも優勝しましたが、お父さんの反応は?
僕の優勝がエリートクラスで初めてということもあるかと思いますが、感動して号泣していました(笑)
まあ自分でも優勝していますし(笑)