引退セレモニー開催

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「もう一度、皆さんの前で走りたかった」

大会3日目、スクラッチレースの表彰式後にセレモニーが行われた。

以下は引退セレモニーでのコメント:

「当初は東京2020オリンピックを一つの区切りとするつもりで、以前から次のステップを視野に入れて動き始めていました。

でもオリンピックは、全ての人が観に来れる環境ではなかった。今回私が全日本への出場を決めたのは、今までお世話になった方や応援頂いた方に、“最後に走る姿”を観ていただきたいと考えての事です。

オリンピック出場後は解説などのお仕事も始まり、練習時間もあまり取れない中『どのぐらい走れるだろう』という不安はありました。それでも、最後は皆さんの前で走りたかったです」

今大会では日本体育大学として、古山稀絵とともにマディソンに出場。レース終了後、古山が涙するシーンも。

スクラッチでは2位に入賞、有終の美を飾った。

花束贈呈は配信向け解説を務めていた上野みなみより。長年ナショナルチームで切磋琢磨した仲間から、サプライズで贈られた。

「きさとさあ〜ん!」と叫びながら駆け寄ってきた中長距離女子メンバー。セレモニーのプログラムにはない出来事だった。

「高校生の頃の私は、今では考えられないほどタイムも遅かったですし、表彰台に上れるかどうかを争っていたような選手でした。『オリンピックの舞台に立った』という事実は、当時の私から見たら本当に考えられない姿だったと思います。

私はただひたすらに、ずっと目標を持ち続けて『常に何かを更新し続けよう』と長く細くトラック競技をやって来ました。この想いが最終的に実を結んで良かったなと思っています。8年間の間、応援頂いた皆さま。本当に本当に、ありがとうございました」

観客席からもサプライズで花束が。

来春からは大学院に進学することも決まっている中村妃智。今後の展望については「ナショナルを諦めない、まずは全日本に出場出来るような女子選手を輩出したい」と語った。

後輩達へのメッセージ

「今後も会えると思うから、“お別れ”という訳ではありません。それでも、あまりにも皆と一緒に長い時間を過ごしてきたので、毎日過ごせなくなるのは寂しく感じます。本当に、皆の事を応援しています。全員が頑張る姿を、これからも応援していきます。」

自転車トラック競技を支える「裏方の一人」として、これからもこの競技に携わっていく事を力強く語った中村妃智が踏み出す、その新たな一歩を応援したい。