今村・橋本のラップ祭り、選手は約半分に
決勝へ勝ち上がったのは、予選を勝ち抜いた19人の選手。
ゆったりとしたペースでスタートしたレースだが、序盤から2021年インターハイ・ポイントレースチャンピオンの山下虎ノ亮(榛生昇陽高校)が積極的に攻める動きを見せる。
先頭が目まぐるしく交代する中、最初に動いたのはチームブリヂストンサイクリングの今村。残り47周半、他の追随を許さぬ勢いで一気に加速し、集団との距離を広げる。今村に続いて荒井佑太(福井県自転車競技連盟)も集団を抜けるが、今村を捕らえることはできず。
単独で先頭に飛び出した今村に追い付かれまいと集団全体の速度が上がる中、じわじわとその差を縮め、残り40周で集団後方の選手を捕らえる。残り39周に差し掛かるところでメイン集団を捕らえ、1周追い抜きを成功。
河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)・貝原涼太(宇都宮ブリッツェン)・谷内健太(京都産業大学)などによる単発のアタック合戦が続く中、それまでメイン集団にいた橋本英也がするりと集団を抜け出したかと思うと、単独で逃げの体勢に。残り20周半でメイン集団を捕え、今村に続いて1周追い抜きを果たす。
残り12周を切ったところで山下が勝負を仕掛け、後続と1/4周程度の距離を維持したまま9周を逃げ続ける。レースは、断続的に複数人が周回遅れにされたことで、選手たちが次々と除外されていくサバイバルレースな展開に。残り9周時点で残ったのは、出走した半分の9名。残り5周、未だ1人で逃げ続ける暫定3位の山下を後方8人の集団が追う。
残り3周に差し掛かったところで動いたのは、宇都宮ブリッツェンの貝原。それまで単独で逃げ続けていた山下を、単独で飛び出した貝原が追い抜く。しかしその後ろには、すでに1周追い抜きを果たしている暫定1位の今村、貝原の逃げを許したくない谷内、2位橋本の3人が続く。
最終周回の残り半周で今村が一気に踏み込み加速、先行する貝原を捕え、そのままフィニッシュラインへと飛び込んだ。前日に実施のチームパシュート、エリミネーションに続いて今大会3つ目の金メダル獲得となった。
今村駿介コメント
Q:3つ目のメダル獲得。率直なお気持ちは?
個人ではほとんど勝つ事が出来ていなかったので嬉しいです。
Q:ラップを成功させたのは、狙っての事ですか?
狙っていた訳ではありませんでした。ナショナルチームで活動している以上、脚を使って勝つ事が大事だと思っていたので、前で先行した時に、着いてくる選手がいればなとは思ったんですが「一つのチャンスポイントだ」と思って全力で踏みました。
Q:全体を振り返ってどうでしょう?
橋本選手はギアが掛かってたので、先にスプリントされると躱せないと思ったので、それより前からスプリントをしました。
Q:この後、マディソンが控えています。
どんな状態においても、良いパフォーマンスが出来るように頑張りたいと思います。100%の力で一つ一つを走り切りたいと思います。
リザルト
1位 | 今村駿介 | チームブリヂストンサイクリング |
2位 | 橋本英也 | チームブリヂストンサイクリング |
3位 | 谷内健太 | 京都産業大学 |
4位 | 貝原涼太 | 宇都宮ブリッツェン |
5位 | 河野翔輝 | チームブリヂストンサイクリング |
6位 | 孫崎大樹 | Sparkle Oita Racing Team |
7位 | 山本哲央 | チームブリヂストンサイクリング |
8位 | 中里仁 | Rapha Cycling Club |
9位 | 山下虎ノ亮 | 榛生昇陽高校 |