男子スクラッチ
今大会は5km、トラック20周回で争われるスクラッチは、単純に一番早くフィニッシュした選手の勝ちとなる。
レースはハイペースで選手たちが互いにけん制しながら進む。残り8周を切って集団から飛び出したのはクラウディオ・イムホフ(スイス)。勢いよく集団との距離を開けていき、最大で半周ほどのリードを単独で得る。残り3周を切ると後続の集団内ではイムホフを追うことを諦めて2位争いのための位置取りが始まっていく。
リモート取材故の悲劇
イムホフが逃げているので当然ながら、注目は逃げ切れるのかどうかに集まっていく。そして見事に逃げ切りを果たしたイムホフは両拳を上げてフィニッシュラインを通過。この種目で1位となった。
そして中継映像を見ながら取材した筆者はイムホフの姿を半ば強制的に見せられることになる。果たして後続のフィニッシュはどうなったのか?その点を一切見せずにTV中継は進んでいく。
※映像制作は現地の放送局が行っているため、筆者が見ていたスピードチャンネルではどうすることも出来ないことを説明しておく
解説の中野浩一さん、司会のさとうゆみさんも「2位はどうだったのでしょう?」などと言いながら結果を待つのだが…………グラフィックが出て結果を見てみると
窪木が2位………………(えっ?)
中野浩一さん、司会のさとうゆみさんも筆者も「それは見たかった~」と落胆の声を挙げてしまった。
ということで2位は窪木一茂、そして3位は総合順位で暫定トップのセバスチャン・モラ(スペイン)という結果。
※映像協力:SPEEDチャンネル
男子エリミネーション
2周に1回、最後尾の選手が除外されていき、最後まで残った選手の勝ちとなるエリミネーション。
スクラッチ種目で調子の良さを見せてくれた窪木に期待が集まる中、レースは始まる。緊張感の漂う中で迎えた初回の除外周回。
…………「窪木選手がヤバイ場所にいる」と思った筆者だが「いやいや、スクラッチの調子が良かったし大丈夫」と思ったのも事実。しかし危ない場所にいる窪木は集団の後方内側で前に出ることが出来ない。
「まさか、いや、それは無い!やめて~」と心で叫んだが、画面に映されたのは窪木。なんとエリミネーションでは一番早くに除外されてしまった。
この種目で最後まで残ったのはゲイビン・フーバー(アメリカ)。2位にはアラン・バナゼック(ポーランド)、3位にはモラ(スペイン)、18位に窪木一茂という結果となった。
一夜にしてこのようなことが起こることもチャンピオンズリーグの醍醐味なのかもしれない。
女子スクラッチ
ここまで2戦の暫定トップはケイティ・アーチボルド(イギリス)。地元開催となったアーチボルドを止めたのが、今季限りでの引退を表明しているキルステン・ウィルト(オランダ)となった。
集団スプリントを制したウィルトが1位、2位はマリア・マルティンス(ポルトガル)、3位にアーチボルド、日本から出場している梶原悠未は9位でフィニッシュした。
女子エリミネーション
最後の4人に残ったのは梶原、ウィルト、アーチボルド、そしてアネット・エドモンソン(オーストラリア)。この4人の中で梶原、エドモンソンの順に除外されていき、最後はウィルトとアーチボルドの一騎打ちとなる。
しかし、アーチボルドが残り2周を切ってスパートするとウィルトは付いていけずに勝負あり。この種目を制したのはアーチボルド、2位はウィルト、3位にエドモンソン、そして4位に梶原となった。
第3戦を終えてアーチボルドは暫定総合トップをキープ、梶原は暫定総合8位となっている。
中長距離日本人選手の結果一覧
男子スクラッチ:窪木一茂 2位
男子エリミネーション:窪木一茂 18位
女子スクラッチ:梶原悠未 9位
女子エリミネーション:梶原悠未 4位
第3戦の放送は12月4日12時からスカパー!配信サービス「SPOOX」にて無料配信が実施されている。
第4戦は12月4日(土)にイギリス・ロンドンにて開催予定(日本時間12月5日04:00~)。
初シーズンとなったUCIトラックチャンピオンズリーグもいよいよ最終戦となる。
果たして栄冠に輝くのは誰か。
その瞬間をぜひご覧いただきたい。