小林優香インタビュー
Q:一度引退宣言のようなものをしていましたが、どのような心境の変化があったのでしょうか?
オリンピックが終わった瞬間に「やっぱりどうしてもこの舞台でメダルが獲りたい」と思いました。世界で3人しか成功できないこの舞台に戻ってきたいと、本当に終わってすぐ思ったんです。
とはいえ「負けず嫌いだから、アドレナリンが出てそう思ってるだけかもしれない」と自分でも思ったので、コーチにも「少し考える時間が欲しい」と話しました。とりあえず3ヶ月ほど地元に戻ってゆっくり考え、準備しました。
オリンピックが終わってすぐのオールスター競輪は、正直出られるかわからないような精神状態でした。「(ファンの皆様に)選んでもらったのだから」と出場して、その後も地元で練習していました。でもオリンピックへの思いは消えることなく、どんどん熱くなって……。
一度外の環境で練習してみて「あの環境はとても良い環境だったんだな」と改めて感じました。「早く戻りたいな」と思ったけれど「いや、逆に我慢だ」と思い直し、ポジティブな気持ちで日本の競輪などに取り組んでいた期間でした。
Q:世界選手権がその期間にあったかと思います。ご覧になりましたか?
ちょうどレースがあったので、結果を見る形になったのですが……「うおお」という感じでしたね。「獲ったんかいっ!」って。
その舞台でメダルを獲れたということ、「世界選手権銀メダル」というのはこれから先経歴としてずっとついてきます。すごいことだなと感じました。
パリを目指すと腹を括りましたが、「王者たるものこうせんばいかん」のような考え方は、自分には合わないんだなとわかりました。
これからはトラックナショナルチームのメインの指導者がジェイソン(・ニブレット)に替わり、新しい体制となります。新体制でどこまで自分が伸びるのか楽しみだし、チーム内競争も激しくなります。苦手なチームスプリントも始まるし……それを「どこまでできるかな」という感じで捉えています。
Q:東京2020オリンピックで勉強になったことは?
エマ・ヒンツェじゃなくてシェーン・ブラスペニンクスが勝ちました。ハリー・ラブレイセンじゃなくて、ジェイソン・ケニーが勝ちました。そういう舞台なんだなと思いましたし、もっと上の覚悟が必要なんだなと感じました。
Q:パリに向けて、次の3年間がスタートですね。
楽しみにしています!