次にご紹介するのは、トラック界で活躍するきょうだい選手たち。過去の記事でもご紹介したきょうだいの他に、2021年シーズンに活躍した選手たちもご紹介していく。
ぜひ応援・観戦する際の1つのポイントとして、注目していただきたい。
ケイティ & ジョン・アーチボルド
イギリス・スコットランドで生まれ育ったアーチボルド兄妹。4歳年上の兄、ジョン・アーチボルドは2021年シーズンにUCIプロチームと契約を結び、主にロードレースで活動。しかし、近年はトラック競技においても国内選手権などで優勝を果たすなど、注目選手の1人でもある。
一方、妹のケイティ・アーチボルドはトラック中長距離種目のスペシャリスト。国内、大陸、ワールドカップでの優勝数はどれも10回を超えている。
特に2021年は、東京2020オリンピック・マディソン、世界選手権・オムニアムの金メダルをはじめ、自身最も成功したシーズンとなった。
ケイティ・アーチボルド(2021年成績)
東京オリンピック | マディソン | 優勝 |
チームパシュート | 2位 | |
ヨーロッパ大陸選手権 | オムニアム スクラッチ マディソン |
優勝 |
世界選手権 | オムニアム | 優勝 |
ポイントレース | 2位 | |
マディソン チームパシュート |
3位 |
主な成績
ジョン・アーチボルド(1990年生まれ)
国内選手権トラック | 5回優勝 |
トラック ワールドカップ | 1回優勝 |
ツアー・オブ・ノース(ロード) | 1回優勝(総合) |
ケイティ・アーチボルド(1994年生まれ)
国内選手権トラック | 11回優勝 |
ヨーロッパ大陸選手権トラック | 17回優勝 |
トラック ワールドカップ | 14回優勝 |
世界選手権トラック | 4回優勝 |
オリンピック トラック種目 | 2回優勝 |
参照:Cycling Archives(ジョン・アーチボルド), Cycling Archives(ケイティ・アーチボルド)
シモーネ & キアラ・コンソーニ
中長距離種目を得意とする、イタリア人選手の兄妹。
兄のシモーネ・コンソーニは、東京2020オリンピックと世界選手権におけるチームパシュートの一員として、2冠を達成。個人種目でも、スクラッチやオムニアムで過去に世界選手権などで表彰台に登る活躍を見せている。
トラック種目で華々しい結果を残す一方、ロードレース選手としても活躍。2020年シーズンから、UCIワールドチームの「チーム コフィディス」に所属し、エリア・ビビアーニらとツール・ド・フランスに出場した経験もある。
シモーネの5歳年下の妹、キアラ・コンソーニは、ジュニア・U23時代に大陸・世界選手権にてマディソンやチームパシュートで優勝。エリートカテゴリーにて出場した「トラック世界選手権2021」では、チームパシュートでの銀メダル獲得に貢献した。
現在22歳ながら、兄同様ロードレース選手としても活躍。UCIウィメンズコンチネンタルチームに所属し、大会優勝やステージ優勝を経験している選手だ。
主な成績
シモーネ・コンソーニ(1994年生まれ)
国内選手権トラック | 2回優勝 |
国内選手権ロード | 1回優勝(U23) |
トラック ワールドカップ | 1回優勝 |
オリンピック トラック種目 | 1回優勝 |
キアラ・コンソーニ(1999年生まれ)
ヨーロッパ大陸選手権トラック | 3回優勝(ジュニア) 4回優勝(U23) |
世界選手権トラック | 3回優勝(ジュニア) |
Cycling Archives(シモーネ・コンソーニ), Cycling Archives(キアラ・コンソーニ)
マルティーナ & アリアンナ・フィダンザ
イタリア人選手である2人の父は、ツール・ド・フランスでのステージ優勝やジロ・デ・イタリアでポイント賞を獲得した、ジョバンニ・フィダンザ(1965年生まれ)。
そんな父のもと生まれ育ったのがこの2人だ。姉のアリアンナ・フィダンザは主にロードで活躍する選手で、2019年まで父が指揮を取るチームに所属していたが、現在は別のUCIウィメンズワールドチームに移籍している。
4歳年下の妹であるマルティーナは、主にトラックで活躍する選手。ジュニア・U23カテゴリーにて、国内・大陸・世界選手権の中長距離種目で多くの優勝を勝ち取っており、エリートカテゴリー初出場となった「トラック世界選手権2021」では、スクラッチ優勝、チームパシュート準優勝の活躍を見せた。
ロード選手としても活動しており、2022年シーズンはケイティ・アーチボルトらと同チームに所属し、レースに出場している。
主な成績
アリアンナ・フィダンザ(1995年生まれ)
国内選手権トラック | 1回優勝(ジュニア) |
国内選手権ロード | 1回優勝(ジュニア) |
ヨーロッパ選手権トラック | 1回優勝(ジュニア) |
世界選手権トラック | 1回優勝(ジュニア) |
ヨーロピアンゲームズ トラック | 1回優勝 |
マルティーナ・フィダンザ(1999年生まれ)
国内選手権トラック | 1回優勝(ジュニア) 3回優勝 |
ヨーロッパ選手権トラック | 2回優勝(ジュニア) 5回優勝(U23) 1回優勝 |
世界選手権トラック | 2回優勝(ジュニア) 1回優勝 |
トラック ワールドカップ | 1回優勝 |
参照:Cycling Archives(アリアンナ・フィダンツァ), Cycling Archives(マルティナ・フィダンツァ)
アレクサンダー & アネット・エドモンソン
オーストラリア出身の姉弟で、姉のアネット・エドモンソンはジュニアカテゴリー時代にスプリントやケイリンで国内選手権優勝を経験。エリートカテゴリーからは、中長距離種目に転向。国内、大陸、世界選手権において、多くのメダルを獲得した。その戦績から、「UCIトラックチャンピオンズリーグ」にも招待されている。
ロードレースにおいても、ウィメンズワールドツアーの大会でステージ優勝を果たしている。
トラックチャンピオンズリーグの最終戦・第4戦を持って、現役引退となった。
弟のアレクサンダー・エドモンソンは、主にロードレースで活躍する選手だが、トラック競技においても国内選手権などに積極的に出場し、優勝を勝ち取ってきた。
姉のアネットがオムニアムで銅メダルを獲得したロンドンオリンピックに続き、リオオリンピックのチームパシュートでは弟のアレクサンダーが銀メダルを獲得した。
2022年現在は、UCIワールドチームの「チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ」に所属している。
主な成績
アネット・エドモンソン(1991年生まれ)
国内選手権トラック | 6回優勝(ジュニア) 11回優勝 |
トラック ワールドカップ | 4回優勝 |
オセアニア大陸選手権トラック | 3回優勝(ジュニア) 6回優勝 |
世界選手権トラック | 3回優勝 |
アレクサンダー・エドモンソン(1993年生まれ)
国内選手権トラック | 11回優勝 |
国内選手権ロード | 1回優勝 |
世界選手権トラック | 1回優勝(ジュニア) 3回優勝 |
参照:Cycling Archives(アネット・エドモンソン), Cycling Archives(アレクサンダー・エドモンソン)
ルイ & イボ・オリベイラ
ポルトガル出身の2人は、一卵性の双子。13歳年上の兄ヘルダ・オリベイラがおり、プロのロード選手である彼の姿に憧れて自転車競技をスタートした。
2人とも2019年から2022年現在まで、UCIワールドチームの「UAE チーム・エミレーツ」と契約を結んでおり、トラック競技でも中長距離種目で活躍している。
主な成績
ルイ・オリベイラ(1996年生まれ)
国内選手権トラック | 4回優勝(ジュニア) 3回優勝 |
国内選手権ロード | 1回優勝(U23) |
ヨーロッパ選手権トラック | 1回優勝 |
世界選手権トラック | 3位2回(ジュニア) |
イボ・オリベイラ(1996年生まれ)
国内選手権トラック | 6回優勝(ジュニア) 9回優勝 |
国内選手権ロード | 1回優勝(ジュニア) 1回優勝(U23) 1回優勝 |
ヨーロッパ選手権トラック | 1回優勝(ジュニア) 1回優勝 |
世界選手権トラック | 1回優勝(ジュニア) |
参照:Cycling Archives(ルイ・オリベイラ), Cycling Archives(イボ・オリベイラ)
チャーリー & ハリー・タンフィールド
イギリス・イングランド出身の兄弟。この2人も、ロード・トラック両競技で実績を持つ兄弟だ。
トラック競技では、主にチームパシュートで優秀な結果を残している。弟のチャーリーは地元マンチェスターで生まれたトラックチーム「Team Huub Wattbike」の創立時メンバーの1人。現在は、兄のハリーがジョン・アーチボルドらとともにチーム選手として所属している。
2022年現在ロードレースでは、兄弟揃って地元イングランドのUCIコンチネンタルチームに所属している。
↑(1番左)チャーリー・タンフィールド(右から2番目)ハリー・タンフィールド
ちなみに2歳の差がある2人だが、誕生日は2人とも11月17日の同じ日だそうだ。
主な成績
ハリー・タンフィールド(1994年生まれ)
国内選手権トラック | 1回優勝 |
トラック ワールドカップ | 1回優勝 |
チャーリー・タンフィールド(1996年生まれ)
国内選手権トラック | 2回優勝 |
国内選手権ロード | 1回優勝(U23) |
トラック ワールドカップ | 2回優勝 |
世界選手権トラック | 1回優勝 |
Cycling Archives(ハリー・タンフィールド), Cycling Archives(チャーリー・タンフィールド)
本記事では「トラック競技で活躍する夫婦・きょうだい」を、全選手とは言わないまでも全8組ご紹介してきた。
またこの他にも“自転車競技選手同士”で交際している選手も、多数存在する。競技観戦に加えて選手たちのSNSなどもチェックし、彼らの私生活の1部を覗いてみてはいかがだろうか。「この選手と、あの選手が!」という発見があり、より観戦が楽しくなるかもしれない。