東京オリンピックという大舞台。さまざまな国の選手たちが入り乱れ、それぞれの力を出し切った。入り乱れたのは「スポーツの力」だけだろうか?彼ら・彼女らが身にまとう色、モチーフ……そんなところをきっかけに、それぞれの国の歴史や文化に興味を向けるのも、オリンピックの楽しみ方のひとつかもしれない。

この記事では、自転車トラック競技のユニフォームから、いくつかの国の歴史や文化を紐解いていく。

月夜の道標、ニュージーランド

黒を基調としたニュージーランドのユニフォーム。オリンピックでは、頭頂にシダのペイントがあるヘルメットや、シダがプリントされたスキンスーツが使用された。

クリスティー・ジェームス Kirstie James (NZL), Women's Sprint Qualifying AUGUST 6, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

これは「シルバーファーン」と呼ばれる、ニュージーランドに自生するシダの一種。裏側が白く、夜でも月に照らされ、銀色に光って見えるという。

黒地に白抜きされたシルバーファーンは、月夜に光る道標のように見えないだろうか?

キャンベル・スチュワート Campbell Stewart (NZL), Men's Omnium Points Race 4/4 AUGUST 5, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

ポディウムジャージの胸元にも同じモチーフが使われる

ニュージーランドの先住民族・マオリはこれを裏返しにして地面に置き、道標として使用したという。マオリ、そしてニュージーランドにとって特別な意味を持つモチーフだ。

自転車競技のユニフォームだけでなく、さまざまな種目、そしてスポーツ以外の分野でも使われている。

AUCKLAND, NEW ZEALAND - APRIL 19: QANTAS and Air New Zealand planes that recently flew from Australia are parked at the Auckland Airport terminal on April 19, 2021 in Auckland, New Zealand. The trans-Tasman travel bubble between New Zealand and Australia begins on Monday, with people able to travel between the two countries without needing to quarantine. (Photo by James D. Morgan/Getty Images)

ニュージーランド航空のデザインにも起用されている

参考:横浜市ラグビーワールドカップ資料「ニュージーランド代表 オールブラックス」PDF読売新聞オンラインJICA佐賀

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