女子1回戦〜決勝
女子チームパシュート1回戦。予選で世界記録を更新したドイツは、決勝進出をかけて予選4位のイタリアと対戦。
メンバーは、フランチスカ・
そして予選でも見せた、「レース半ばで体の大きなクローガに長く前を引かせ、他の3人の体力を温存。クローガが役目を終えて離脱した後は残った3人がハイペースで走り切る」という戦略を今回もとった。これによって、通常どうしてもペースが落ちてしまうラスト1000mを、ペースを上げて走り切ることができる。
クローガ任せになってしまうため当然失敗するリスクもある戦略だが、ドイツはこのためのトレーニングをオリンピックに向けて積んできたのだろう。予選での世界新記録達成がそれを証明している。
この1回戦、ラスト1000mで徐々にペースを落とすイタリアに対して、ドイツは1周のタイムを15秒前後から14秒台半ばまでペースアップ。そして再び世界記録を更新する4分6秒159のタイムでフィニッシュ。決勝進出を決めた。
決勝 ドイツ vs イギリス
決勝は、世界記録連発の快進撃を続けるドイツと、オリンピック3連覇を目指す強豪イギリスの対戦。
イギリスは先の1回戦で、予選でドイツが出した世界記録を再び更新。その後すぐドイツに記録を塗り替えられたものの、強豪国としての意地と底力を見せつけた。イギリスのメンバーは、ケイティ・アーチボルド、ローラ・ケニー、ネア・エバンス、ジョシー・ナイトの4選手。
ドイツはスタートからこれまでより速いペースでリードを保つ。1000mの通過タイムはドイツが1分6秒842。イギリスが1分8秒158。タイム差は1秒316。
そして1500mを過ぎたあたりで、ドイツはマイキ・クローガがこれまで同様前に出て、風圧を一身に受けて後ろの3人の体力を温存する態勢に入った。一方のイギリスはなかなかペースが上がらない。
ドイツリードのまま2000m通過時のタイム差は、2秒178。イギリスにとっては苦しい展開だ。ドイツは2500mを過ぎたところでクローガが役目を終えて隊列を離脱。同時に残った3人が一気にスピードを上げた。
3000m通過時のタイム差は3秒676。ドイツは残り1000mを、戦略通り更にペースを上げて走り切り、なんと3回目の世界新記録となる4分4秒242で強豪イギリスを下し、金メダルを勝ち取った。