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トラック帝国のトップシークレット
2008年に続き、自国開催の2012年オリンピックでも、大勝利を収めたイギリスチーム。その強さはもちろん選手たちの素質・トレーニング方法に由来するだろうが、「テクノロジー」も大きな役割を担っている。
自転車競技は1/1000秒で勝敗が決まる競技。従って使用する機材・環境すべての面で最善が尽くされ、最速が追求される。
2008年大会からイギリスチームが使用していたのが、同国の競泳競技ウェアブランド「Speedo(スピード)」の最新技術を採用したと言われるジャージだ。スピード社は北京オリンピック前後に競泳水着「LZR Racer(レーザーレーサー)」シリーズを開発したブランドでもある。
この水着を着用した選手により、2009年の1年間で160以上の競泳世界記録が更新され、翌年にはその絶大すぎる効果から着用の禁止までに至った。
イギリストラックチームはこのテクノロジーをトラック競技のジャージに活用したとされるが、どのように活用されたかは、今も「謎」のままとなっている。
イギリスチームは情報漏洩を防ぐため、そのジャージを徹底的に秘匿。通常なら大会後は選手が保管できるそれを、選手から回収したほどの徹底ぶりだ。その隠し通した「テクノロジー」も功を奏してか、2008年・2012年続けてイギリスチームはオリンピックでの大勝利を収めた。