東京五輪代表たちによる優勝争い
エキシビション的な位置付けで開催した「アデレード・トラックリーグ」。
エリミネーション、スクラッチ、個人パシュート、スプリント、ケイリン、マディソンがオーストラリアトラックナショナルチームの本拠地となる「アデレード・スーパードローム」にて実施された。
現在(大会実施時)南オーストラリア州は、州指定制限地域に滞在歴がある場合を除き、検疫無しで入州可となっている。マスク着用の義務も無く、徐々に感染状況からの回復を見せている。
会場では新型コロナウイルス感染対策がもちろん行われ、会場収容人数の50%である1300人が訪れた。
中でも注目を集めた種目は、東京オリンピック代表らが優勝争いを繰り広げたエリミネーションとスクラッチ。
男子中長距離種目ではキーランド・オブライエン、サム・ウェルスフォードの東京五輪代表に加え、リオ五輪銀メダリストのアレックス・エドモンソンらオリンピアンがレースを支配。エリミネーションはオブライエン、スクラッチは同種目元世界王者のウェルスフォードが制した。
女子ではアネット・エドモンソン、アシュリー・アンクディノフ、メーブ・プルーフ、ジョージア・バーカーら女子中長距離代表が全員集結。男子と同様に代表選手たちがレースを動かし、エリミネーションはアンクディノフ、スクラッチはエドモンソンが制した。
大会の勝負の模様は以下のハイライトから。
参照:ADELAIDE’S EXCLUSIVE WINDOW TO THE OLYMPICS AT TRACK EVENT
グレーツァーが魅せた圧勝劇
メインイベントとなった男子スプリントに出場した選手は7人。
予選は無く、3組に分かれて対戦。各組で勝った3人がマシュー・グレーツァーとそれぞれ1本勝負を行う仕組みだ。
男子チームスプリント国内王者のリー・ホフマンとカルロス・カリスモ、そして東京五輪代表のネイサン・ハートがグレーツァーと対決するも、3本ともグレーツァーが勝利。2019年に甲状腺ガンを発症したマシュー・グレーツァーだが、勝利者インタビューで自身の現在の容態について明らかにした。
「まだ新しい甲状腺組織は成長していませんが、(ガンが)完治しているとは言われていません。それでも毎日薬を飲みながらいつも通りに生きています。これからはジムで体に負荷をかけて、体の全てを元通りに戻します。リハビリでふくらはぎが鍛えられ、次のレベルへと向かっています」
とコメントしており(一部略)、東京大会に向けた準備が進んでいることをアピールした。
参照:MATTHEW GLAETZER ON OVERCOMING CANCER TO COMPETE IN THE OLYMPICS