オムニアムは誰のため?

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150年を経て、2020年現在

1st Round / Women's Keirin / 2020 Track Cycling World Championships, Ohta Riyu 太田りゆ, Lee Hyejin イ・ヘジン 이혜진, Nicky Degrendele ニッキー・デグレンデレ

IOC(国際オリンピック委員会)等の「スポーツにおける男女平等」の実現に向けた政策に即し、UCIも男女間での競技種目の統一など、努力を重ねてきた。

そして2017年開催のUCIトラック世界選手権から、マディソンが女子種目に初めて追加され、「本大会種目数における男女平等」がついに実現された。これにより、2012年大会にて男女種目統一のため、オリンピックの正式種目から除外されていたマディソンは、2020年東京オリンピックで改めて正式種目入りを果たした。

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圧倒的に男子主流だった自転車トラック競技だが、今や女子においても盛り上がりを見せており、競技ルールも段々と男子と同様のものになりつつある。

2020年現在では、日本含めUEC(ヨーロッパ自転車競技連合)等で行われる各国・各大陸選手権において、チームスプリントのルールが男女で統一された。短距離種目にもかかわらず前年大会(UCI世界選手権では2020)まで、男子エリート・3名3周、女子エリート・2名2周で行われていた当種目は、世界選手権2020後から男女とも3名3周に統一された。(オリンピックでは2024年パリ大会から施行)

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Pruride Six Day Hong Kong

Photo by Ivan Shum – Clicks Images/Getty Images

競技人数はその競技の迫力、面白さ、注目度に大きく影響する。従来の形式や概念にとわられず、より多くの選手が参加でき、より多くの観客やファンが楽しめるものにしていくことが、どのスポーツにおいても重要だろう。

そしてトラック競技もその一つであり、同じ目標を掲げ発展したきたスポーツだ。UCIを始め多くの関係者が、トラック競技のさらなる発展のために尽力してきた。ルールの変遷1つをとっても彼らの強い願いや思惑が見えてくる。

本記事ではそんなトラック競技の種目やルールの変遷を約150年前から辿ってきた。トラック競技に少しでも興味を抱いていただけたら幸いだ。観戦する際には、その歴史を頭の片隅に入れながら是非トラック競技の魅力を楽しんでほしい。

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