相性の良いペアとは?
適切なタイミングで交代することでポイントを獲得、あるいはライバルを周回遅れにすることができる。それらを時速50kmを超える集団の中で行うためには、お互いの能力やボディーランゲージに対する深い理解、そして計り知れない信頼が重要となる。
マディソンにおいて理想的とされるペアとは「持久力に優れ、周回遅れにならないように走ることができる選手」と、「爆発的なスピードを持つスプリンター」の組み合わせだ。1995年以降男子マディソンが開催されているUCI世界選手権では、この2つのタイプをうまく組み合わせた例が多く存在する。
では、世界トップクラスのマディソンペア達はどのような選手たちなのか。いくつか例を見ていこう。
ウィギンス&カヴェンディッシュ(イギリス)
イギリスのブラッドリー・ウィギンス/マーク・カヴェンディッシュのペアは2008年と2016年の2回、マディソン世界王者に輝いている。
Right then… Who’s up for a little Instagram Live session with @SirWiggo and I tomorrow night? The funniest man I’ve ever met. We’ll chat about our times on and off the bike together and ask our viewers to send some questions.
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📅 Saturday 4th April at 7pmGMT / 8pmCET pic.twitter.com/cYySSJ9yyn— Mark Cavendish (@MarkCavendish) April 3, 2020
ウィギンスは2012年ツール・ド・フランスを制し、タイムトライアルを得意とするなど高い持久力を備えている。
一方、カヴェンディッシュはグランツールでのステージ通算48勝を誇る世界トップクラスのスプリンターだ。カヴェンディッシュは2005年にロバート・ヘイルズともペアを組み、マディソンの世界王者に輝いている。
ウィギンスとカヴェンディシュのようなペアが、特にマディソンに向いている。
モルコフ&ハンセン(デンマーク)
現男子マディソン世界王者デンマークのミカエル・モルコフ/ラッセ ノーマン・ハンセンは、スプリンターとタイムトライアリストのペアだ。
2020年ドイツ・ベルリンで開催された『トラック世界選手権』では集団のラップに重きを置き、レース全体の平均時速は58.754kmにもなった(!)
モルコフ/ハンセンのペアは2019-2020UCIトラックワールドカップ第1戦でも優勝したペアだ。モルコフは2009年にもマディソンで優勝しており、当時のペアもタイムトライアルを得意とするアレックス・ラスムッセンだった。
クルーゲ&レインハート
ドイツのロジャー・クルーゲ/テオ・レインハートのペアは、2018年、2019年の男子マディソン世界王者。34歳のクルーゲはロット・スーダルに所属し、スプリンターのリードアウト役も務めるワールドツアー選手だ。対してレインハートは持久力に優れた若手選手。Sixdayシリーズでの勝利や、2019-2020UCIトラックワールドカップ第3戦での優勝歴を持つ。
2010、2011年と世界王者に輝いたオーストラリアのレイ・ハワード/キャメロン・マイヤーのペアも、スプリンターとタイムトライアリストの組み合わせだ。
また、マイヤーが2019-2020UCIトラックワールドカップ第5戦にてサム・ウェルスフォードとのペアで優勝した際の平均時速は59.921km。これは近代のマディソンレースでは歴代最速の平均速度であり、いかにマディソンが高速なレースなのかがわかる。
ペアの選択と相性はもちろんだが、マディソンに合った脚質も重要である。上記の世界王者達を見る限り、タイムトライアリストとスプリンターの組み合わせがマディソン勝利の為の秘訣だろう。