11月2日にベラルーシ・ミンスクで『2019-2020トラックワールドカップ第1戦』女子マディソンが行われ、世界チャンピオンの証であるアルカンシェルを身に纏ったオランダチーム(キルステン・ウィルト/エイミー・ピータース)が、イギリスチーム(ローラ・ケニー/エミリー・ネルソン)との接戦をものにして優勝。世界王者としての貫禄をみせて開幕戦を白星で飾った。
マディソンは2人1組で交代しながらレースを行い、10周に1回設けられたポイント周回で1着5点、2着3点、3着2点、4着1点が与えられ、その合計点で争う種目。尚、集団を1周追い抜きすればラップが認定され20点を獲得できる。女子のレースは120周回、30km。
注目は、近年女子中長距離界で圧倒的な存在感を示すオランダのキルスティン・ウィルトらのオランダチーム。
対するは、ロンドン五輪とリオ五輪で2大会連続で2冠を果たしているイギリスのローラ・ケニーがいるイギリスチーム。
レースは、序盤からオランダチームがポイント周回で立て続けに5点を獲得して優勢にレースを進めていく。
一方、イギリスチームも徐々にエンジンがかかる。3回目と4回目のポイント周回で5点を獲得。
しかし、その背後には常にオランダチームが迫る。イギリスが仕掛ければオランダがしっかりと追走してポイントを重ねていく盤石の戦いを見せるが、イギリスも粘り強くポイントを獲得していき、オランダとの決定的な差は開かせない展開となる。
残り30周、9回目のポイント周回後の得点はオランダが48点、イギリスは42点。得点差はついにこのレース最小の6点差まで縮まる。
それでも終盤にかけて自力に勝ったのはやはりオランダであった。
その後も小刻みに1点ずつ得点を重ねたオランダは、残り10周、11回目のポイント周回を終えた時点で50点。イギリスは得点を伸ばせず42点のまま。
最後のフィニッシュラインでの通過は獲得ポイントが2倍になるため、イギリスが1着、オランダが着外に入れば逆転のチャンスがある。
しかし、その後、ポーランド、ドイツの逃げグループが形成されイギリスはここで万事休す。1着の可能性を失い、オランダの優勝が決まった。
ウィルトは今大会スクラッチに続き2冠。今シーズンも圧倒的な強さが健在なことを示した。
女子マディソン結果
優勝:オランダ (キルスティン・ウィルト/アミー・ピータース)
2位:イギリス(ローラ・ケニー/エミリー・ネルソン)
3位:フランス(クララ・コッポーニ/マリエ・ネット)