11月3日、東欧ベラルーシの首都ミンスクで開催された『2019-2020トラックワールドカップ第1戦』で、イタリアのフィリポ・ガンナ個人パシュートの世界記録を1日に2度更新。予選で4分4秒252を出し、約1秒の世界記録更新をした後、さらに決勝戦で再び4分2秒647と約2秒も上回る偉業を果たし、同時にワールドカップ初戦の金メダルを獲得した。

予選

個人パシュートは4kmの速さを競う競技で、予選はタイムトライアル。決勝はホームとバックに分かれて対戦方式で速さを競う競技。

フィリポ・ガンナはこの種目でこれまで3度の世界王者に輝いた現役の世界チャンピオン。ロードレースのチーム・イネオスにも所属する23歳。今大会ではチームパシュートでもエリア・ビビアーニらと共に銅メダルを獲得している。

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これまでの世界記録は2019年9月にアメリカのアシュトン・ランビーによる4分5秒423。この記録は世界記録と認められているものの、タイムの出やすい標高2500mの高地で出したもの。

平地での記録は2011年にオーストラリアのジャック・ボブリッジによる4分10秒534が最高タイムであり、それ以降、高地以外での世界記録更新はされていない。

そうした中、ガンナは海抜およそ200mのミンスクアリーナでの記録更新に挑み、予選から世界記録を更新するという快挙を成し遂げた。

予選の最初の125mの入りは13秒678で全体10位のタイム。そして1km通過時点のタイムは1分7秒929で全体8位。しかし、そこから後半に向かうにつれて徐々にペースが上がっていく。

2500mでようやく全体1位のタイムとなって以降、ペースはさらに上がる。レース中の最高速度を記録したのが3500m地点。レース終盤、13周目で時速62.7kmを記録した。

ガンナはトップスピードを維持したまま、4分4秒252という驚異的なタイムを叩き出し、1度目の世界記録更新を果たした。

予選結果(PDF)

決勝