『2026インターハイ自転車競技』の大会3日目。トラック競技の最終種目として行われたケイリン。
男女ともに会場中から声援と歓声が飛び交う熱戦が繰り広げられた。記事内では紹介しきれない写真も多数あるので、ぜひ写真ギャラリーをご覧いただきたい。
全員横並びから抜け出した八重幡が念願の初優勝
奥田煌山(広島城北)が欠場となり、5人でのレースとなった決勝。
残り1周の直前、直線に差し掛かったところで後方からスパートを仕掛け、前方に進出したのは春の選抜ケイリン王者の毛利元晴(誠英)。しかし、先頭の村瀬琶音(水島工)も譲らず、2人が並走して駆け抜けていく。
残り半周、先頭2人のわずかな隙間に八重幡勇世(作新学院)が突っ込むと、外からは正木颯人(九州学院)、小恒禮已(和歌山北)も捲りにきて、5人が横並びで3コーナーへ。
内側の村瀬と八重幡が抜け出すと、最後の直線で鋭く伸びた八重幡が1着でフィニッシュラインを通過。
八重幡は全国大会で初の表彰台に、優勝という最高の結果で登ることとなった。2着には外から伸びてきた正木、3着には内側で粘った村瀬が入った。
| 男子ケイリン 最終結果 | ||||
| 順位 | 学校名 | 都道府県 | 選手 | タイム |
| 1 | 作新学院 | 栃木 | 八重幡勇世 | 11秒190 |
| 2 | 九州学院 | 熊本 | 正木颯人 | |
| 3 | 水島工 | 岡山 | 村瀬琶音 | |
男子優勝:八重幡勇世選手 インタビュー
Q:今大会を振り返ってください。
予選から決勝まで、すべて1着で勝ち上がることができたのでよかったです。選抜大会の時よりも周りの状況をよく見ながらレースを進めることができたと思います。
Q:レース前に考えていた作戦はありましたか?
走る前の作戦はこれといったものはありませんでした。レースの展開、前の動きを見ながらという感じでした。
Q:決勝レースでは最終周回3コーナー付近で、5人が1列で横に広がるような展開になりました。その場面では何を考えていましたか?
特別に何か考えていたわけではありません。前を行く2人の間に少しスペースが空いたので、「ここを行くしかない」と思って全力で踏み込みました。
Q:そこから一気に前へ出ました。勝てるという手応えはありましたか?
直線に入ってから横に誰も選手が見えなくなったので、その時に「いけたかな」という感覚はありました。
Q:高校3年間最後のインターハイを終えた今の気持ちは?
表彰台に乗ること自体も初めてだったので、本当にうれしいです。
Q:ゴールした瞬間はどんな気持ちでしたか?
ゴールした時点では、まだ着順が確定していなかったので、不安もありました。着順が確定して優勝が決まった時は、ほっとした気持ちが大きかったです。ただ、まだ優勝したという実感はあまりありません。
Q:次の目標を教えてください。
この先も関東選手権や国民スポーツ大会など、まだ大会が続きます。そこでもしっかり結果を残せるように、また頑張っていきたいと思います。
Q:将来的な目標はありますか?
今年、競輪選手養成所の試験を受ける予定なので、まずはそこに向けてしっかり準備していきたいと思っています。プロとしてしっかり活躍して、将来的にはKEIRINグランプリに出場し、優勝できる選手になることが目標です。
Q:自分の中で目標としている競輪選手像はありますか?
師匠になっていただく予定の眞杉匠さんを超えるような選手になりたいです。
最後方から抜群の加速を見せた阿部陽海が全国初戴冠
徐々にペースが上がってきた残り1周半。
最初に仕掛けたのは4番手の和田華月(南大隅)。4コーナー手前からスパートを仕掛け先頭に立つ。
残り半周。和田の番手から伊東優来(岐阜第一)が捲って先頭でコーナーを駆け抜けていく。レースは最後の直線勝負へ。後方から強烈な加速で伊東に迫ってきたのは阿部陽海(栄北)。
伊東と阿部が横並びでフィニッシュラインを通過するも、阿部がわずかに先着。2着に伊東、3着には阿部を追走した玉井雫月(高松工芸)が入った。
残り半周時点では最後方に位置していた阿部が、渾身のロングスプリントで差し切り勝ち。中学生の頃から全国大会に出場しつつも届かなかった、表彰台の頂点を見事掴み取った。
| 女子ケイリン 最終結果 | ||||
| 順位 | 学校名 | 都道府県 | 選手 | タイム |
| 1 | 栄北 | 埼玉 | 阿部陽海 | 12秒987 |
| 2 | 岐阜第一 | 岐阜 | 伊東優来 | |
| 3 | 高松工芸 | 香川 | 玉井雫月 | |
女子優勝:阿部陽海選手 インタビュー
Q:優勝おめでとうございます。今の率直な気持ちを聞かせてください。
中学2年生の頃から全国大会に出場して、ずっとケイリンを続けてきました。でも、なかなか納得できる結果を残せずにいました。高校最後の全国大会で優勝することができて、「これまで練習を頑張ってきて良かった」と思っています。
Q:レースを振り返ってみていかがですか?
想定していた展開では進みませんでした。正直に言うと最後の一瞬はあまり記憶がありません。とにかく前の選手に必死についていこうと思っていました。自分の得意なペダリングを活かして、最後に抜くことができました。
Q:最後はしっかり差し切りましたね。
最後まで諦めずに踏み続けたことが、この結果につながったと思います。
Q:決勝のレース後、「失格になるかもしれない」と話していましたが、どの場面が気になっていたのでしょうか?
2コーナー付近で最後方を走っていた時です。自分と後ろの選手が同じレーンに入ってしまったような感覚があって、「押圧にならないだろうか」とレースが終わってからもずっと心配していました。

着順が正式に発表され監督と喜び合う
Q:無事、優勝が決まった瞬間はどんな気持ちでしたか?
優勝は狙っていましたが、正直ここまで来られるとは思っていませんでした。本当に強い選手ばかりが集まっていますし、その中で自分が優勝できたことは、まだ少し信じられない気持ちです。
Q:今回の優勝は、自分にとってどんな意味を持つ結果になりましたか?
これまで全国大会に出場してきても、「自分はまだまだ強い選手じゃない」と思っていました。でも今回、優勝という結果を残すことができて、少しだけ自分の実力を認めてもいいのかなと思えるようになりました。
Q:大会3日間を通して振り返るといかがですか?
今回初めて、予選から決勝まで全レースを1着で勝ち上がることができました。自分自身でも成長を実感できる大会になったと思います。
Q:次の目標を教えてください。
この後は都道府県大会や国民スポーツ大会が控えています。今度は高校生だけではなく、大学生や社会人の選手とも一緒に走ることになります。その中でもくらいついていけるように、これからも練習を積んでいきたいと思っています。
Q:将来的な目標はありますか?
自転車競技が好きなので、まずは大学でも競技を続けます。その先は……まだ全然決まっていませんが、競輪選手になることも考えてはいます。
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