2026年6月12日より、静岡県・伊豆ベロドロームで開幕した『2026全日本選手権トラック』。
大会3日目の14日に実施され、23人がエントリーした男子オムニアムの様子をお伝えする。
オムニアムとは?
「スクラッチ」「テンポレース」「エリミネーション」「ポイントレース」という4種目を1日で行い、その総合成績を競うオムニアム。レースを支配するための「スピード」「持久力」はもちろん、展開を読む「頭脳」も含め、総合力が試される。
HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR、TEAM UKYO、JPCA、Lotto-Groupe Wantyなど、ナショナルチーム所属の選手たちを含む23人がエントリー。2日目の「PUSHアワード」を受賞した田中天悠(日本大学)もオムニアムには選手として参戦した。
第1種目 スクラッチ 山本哲央が逃げ切り1着
序盤からアタックに出た選手を集団が捕まえる展開が続き、ハイペースで周回を重ねていく。中盤で1度ペースが緩んだなか、飛び出していったのは山本哲央(TEAM UKYO)。山本を佐藤健(Radical Aero Club)、並江優作(鹿屋体育大学)、住田悠人(法政大学)の3人が追走し、4人の逃げ集団を形成する。ナショナルチーム所属選手の多くは後方集団に位置取り、無理に追いかけない展開となる。
最終的にラップを決めた山本が1着でフィニッシュ。2着に並江、3着に原田應佑(京都産業大学)となった。
第2種目 テンポレース 窪木が2度のアタックでポイントを積み上げる
窪木一茂(TEAM UKYO)と橋本英也(JPCA)、原田應佑、兒島直樹(HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR)の4人が逃げ集団を形成しラップを狙いにいく。レース中盤に逃げ集団がメイン集団に追いつき、ラップに成功。さらに再びアタックへ飛び出していったのは窪木。終盤に5連続でポイントを積み重ねた窪木が31ポイントで1位。2位は26ポイントで橋本、3位は25ポイントで矢萩悠也(HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR)。
第3種目 エリミネーション 大会初日の再現。窪木が橋本を再び破る
2周に1人が除外されていくエリ未ネーション。レース終盤に入るとナショナルチーム所属選手たちのスプリント合戦となっていく。最後に残ったのは窪木と橋本の2人。残り1周半で窪木がスプリントを仕掛けると、橋本はついていくことができなかった。今大会初日の単独種目としてのエリミネーションと同じような展開で、窪木が橋本との戦いを再び制した。3位には梅澤幹太(HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR)。
最終種目 ポイントレース
3種目を終えての暫定順位は
| 選手名 | ポイント |
| 窪木一茂 | 112ポイント |
| 橋本英也 | 106ポイント |
| 山本哲央 | 90ポイント |
| 並江優作 | 90ポイント |
の順。最後のポイントレースは100周回、25kmの戦い。
序盤は梅澤幹太、矢萩悠也、今村駿介(Lotto-Groupe Wanty)らが先頭で積極的に仕掛けながらレースを作っていく。
3回目のポイント周回では橋本英也が1着5ポイントを獲り、暫定首位の窪木に1点差に詰め寄る。
しかし、レース中盤以降、圧巻のスプリントで会場を沸かせたのは窪木一茂だった。
4回目のポイント周回で1着となり、このレース初めてのポイントを得る。するとそこから“5回連続”でポイント周回の1着を獲得していく。
どの周回においても山本哲央や梅澤、今村、橋本英也など実力者たちが先行しているなか、ポイント周回に入ると窪木が強烈なスプリントで一気に5〜6人を抜き去っていき、気づけば先頭でフィニッシュラインを超えていく。
残り20周のポイント周回、5回連続となる1着で、137ポイントまで積み上げた時には、2位の橋本との差を17ポイントまで広げる。この時点で窪木の優勝、橋本の2位が決定的となった。
レースの終盤は激しい3位争いが展開。残り10周のポイント周回で梅澤が1着5ポイントを獲得し、暫定3位の山本に1ポイント差に迫る。
最後のフィニッシュでは梅澤が2着6ポイント、山本は3着で4ポイントをそれぞれ獲得し、1ポイント差で逆転した梅澤が3位となった。
圧巻のスプリントを見せた窪木がエリミネーション、マディソンに続き3枚目の日本チャンピオンジャージに袖を通す結果となった。総合2位は橋本英也、そして山本を逆転して総合3位に梅澤幹太。
男子オムニアム リザルト
| 順位 | 選手名 | 所属 | ポイント |
| 1位 | 窪木一茂 | TEAM UKYO | 139 |
| 2位 | 橋本英也 | JPCA | 123 |
| 3位 | 梅澤幹太 | HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR | 104 |
窪木一茂インタビュー
Q:オリンピックでも非常に重要な種目であるオムニアムですが、全日本選手権で勝利できたことについて、いかがですか?
通過点ではあると思います。もちろん勝てたことは良かったですが、もしかしたら勝てなかったかもしれない。もし今日勝てなかったとしてもそれが今の実力だと、負けた時にも備えて気持ちを作っていたことが、勝利に繋がったと思います。
Q:最終種目をポイント差のある状態で迎えました。ある程度余裕を持ってレースに臨むことができましたか?
いや、気を抜くと順位を逆転してくるような本当に強いメンバーたちばかりでした。気が休まることはなかったですね。
Q:次の目標を教えてください。
10月の世界選手権で選ばれたら、もちろん金メダルを目指して頑張りますし、ロサンゼルスオリンピックに向けて、団体種目も個人種目もピークを持ってこないといけません。
もちろん明日の4km個人パシュートも新記録を狙っていきたいですし、1kmタイムトライアルも短距離の選手に負けないように頑張るので、楽しみにしてください。







