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強さを見せた太田海也・佐藤水菜

女子短距離では、佐藤水菜がスプリントとケイリン、チームスプリントで3冠を達成。スプリント優勝の後は「背中で語るようなレースができたら、と心がけていました」と語るなど、圧倒的な強さが印象に残った。

ただ、見据える先は世界。「(勝ち上がりを考えると)スプリントは予選でトップ4に入るということが最低条件。その目標を第一に考えて準備したい」と明確な目標を掲げ、さらなる飛躍を感じさせた。

男子短距離は、太田海也がスプリント・ケイリンで2冠。

いずれも中野慎詞との争いを制しての金メダルとなったが、特にケイリン決勝は見た目にはわからないほどの僅差の争いとなった。

太田自身も「日本は、すごく層が厚く強いチーム」と語っていたが、紛れもなく世界トップクラスに位置する太田海也が苦戦を強いられるこの状況自体が、日本チームの充実を示唆しているといえるだろう。またその中で、しっかりと勝ち切って2つの金メダルを手にした太田海也の強さも光った大会となった。

未来を感じさせる若手選手の走り

もちろん、時代を担う若手選手たちが光を放つ大会でもあった。

中石湊は1kmTTで金メダルを獲得し、スプリントでも銅メダルを手にするなど存在感を示した。尾野翔一は太田海也・中野慎詞と同世代ながら、競技デビューからわずか半年でケイリンの表彰台に上がる快挙を達成。

男子中長距離では、鹿屋体育大学3年の梅澤幹太がオムニアムで銅メダル。最終種目のポイントレースでは序盤から積極的に仕掛け、レースの主役として会場を沸かせた。最後まで上位陣に挑戦し続けた姿は、大きな可能性を感じさせるものだった。

さらにジュニアカテゴリーでは、井関文月が女子短距離3冠(1kmTT・スプリント・ケイリン)を達成。勢いある走りで世代の頂点に立った。

数年後に振り返ったとき、「この大会がターニングポイントだった」と語られる可能性は十分にあるだろう。

物語の続きは、南米・チリへ

次なる大舞台は、10月にチリ・サンティアゴで開催する『世界選手権トラック』。
先日発表された出場メンバーには、ここで紹介選手たちも多数。

世界へと、そして3年後のロスへと続くストーリーを、じっくりと追いかけていきたい。

【派遣選手発表】今年も狙う、世界一の座『2025世界選手権トラック』/10月22日〜26日(チリ)