2025年4月19日に開幕した『香港インターナショナルトラックカップ I/II』。
最終日、『香港インターナショナルトラックカップ II』女子オムニアムの模様をレポートする。
女子オムニアム
スクラッチ、テンポレース、エリミネーション、ポイントレースの4種目で総合成績を競うオムニアム。
香港インターナショナルトラックカップでは2回目のオムニアムとなったレース、初日のこの種目を制した梶原悠未のほか、水谷彩奈、岡本美咲ら全17人が出場した。
スクラッチ
レース終盤に仕掛けたのは元世界チャンピオンの梶原。そして岡本が梶原の後輪を逃さずに続いていく。
残り2周で先頭に出た梶原、そして最終周回に入り梶原を追い抜こうとする岡本の先頭争い。フィニッシュは梶原が先着。僅差で岡本が2着。3着にこの大会でメダルを量産しているリー・ジーウィン(香港)、水谷は11着となった。
テンポレース
中盤にアタックした梶原がレース内で唯一メイン集団を1周追い抜きし、大量ポイントを獲得して1位。そして終盤には岡本もアタックし、4ポイントを重ねて、この種目を4位とした。水谷は11位。
エリミネーション
水谷が残り10人の時点で除外されてしまったが、安定した走りを見せる梶原、そして3日間のレースで着々と成長を見せる岡本が最後の4人まで残った。
ここまでの3日間で表彰台を何度も獲得しているハンナ・ツェラク(個人中立選手)とリー・ジーウィン(香港)に加えて日本勢のサバイバルレースは、岡本がスプリントで脱落して残り3人となる。
次は地元の声援を受ける中で走るリー・ジーウィンが除外され、残ったのは梶原とツェラク。
この勝負を梶原が制して、ここまで3種目を1位とし、暫定トップを守った。
ポイントレース
80周、20kmのポイントレース。
梶原120ポイント、リー・ジーウィン110ポイント、岡本106ポイント、ツェラク104ポイント、そして水谷が62ポイントで始まった。
前半戦はツェラクが猛チャージを仕掛けてポイントを量産していく展開。暫定2位まで順位を上げていくと岡本は暫定4位へとメダル争いから一歩後退してしまう。
梶原にクラッシュ
残り40周。ここから後半戦へと突入といったところでメイン集団内では大きな落車が発生。そしてその中には暫定トップを走る梶原が含まれていた。レースは中断となり、梶原を含めて治療を受けた選手たちはトラック上に戻っていく。
岡本、水谷、リー・ジーウィンが動き出す
レースが再開して残り30周を切ると、岡本と水谷がアタック。一旦は2人で集団から抜け出す形となるが、ここに上位争いをするリー・ジーウィンが加わり、強力な逃げ集団が形成される。
残り17周でメイン集団に追いついた逃げ集団。岡本はこのポイント獲得により合計を129ポイントまで伸ばしてメダル獲得圏内の2位へと暫定ながらもランクアップした。梶原が3位へとダウン、一方で地元のリー・ジーウィンが暫定トップへと入れ替わる。
梶原 優勝へのアタック
残り13周。最後まで展開は動かないかと思われたが、ここで梶原が単独でアタック。この動きをメイン集団は追わずに、梶原が逃げていく。
残り10周のポイント周回を梶原は1着、そして残り7周でメイン集団に追いつき+20ポイントを獲得。最終盤で一気に25ポイントを獲得した梶原が再度暫定トップへと返り咲く形となった。リー・ジーウィンが暫定2位。そして岡本は暫定3位。
残すは最後のポイント周回のみとなったが、最後は下位争いの選手たちのスプリント勝負となり、上位陣でのポイント獲得は無し。
優勝は150ポイントを獲得した梶原、2位に開催地香港のリー・ジーウィン、3位に岡本美咲。梶原は今大会でオムニアム2連覇を達成。岡本はおよそ1年ぶりとなる大会出場で見事に銅メダルを獲得した。
順位 | 選手名 | 所属 | ポイント | |
1位 | 梶原悠未 | 日本 | 150 | |
2位 | リー・ジーウィン | Lee Sze Wing 李思穎 | 香港 | 144 |
3位 | 岡本美咲 | 日本 | 130 | |
9位 | 水谷彩奈 | 日本 | 86 |