2025年4月19日に開幕した『香港インターナショナルトラックカップ I/II』。
初日を終え、4月20日からは『香港インターナショナルトラックカップ II』がスタート。前日に続き2日連続で実施された男子スクラッチでは日本勢が表彰台を独占した。レースの模様をレポートする。

男子オムニアム

スクラッチ、テンポレース、エリミネーション、ポイントレースの4種目で総合成績を競うオムニアム。
ナショナルチームから兒島直樹、松田祥位、河野翔輝、山本哲央のほか、梅澤幹太・岡本勝哉(チームブリヂストンサイクリング)となった。

エントリー人数が多かったため、2組に分かれて予選のポイントレースが実施されたが、日本勢は全員が本選出場を果たした。

スクラッチ&テンポレース

スクラッチは松田が1着、兒島が2着、3着にグレアム・フリズリー(アメリカ)、4着に梅澤、5着が河野と日本勢が上位を得る結果となった。

続くテンポレースでは、山本が巻き返して2位、松田が6位、河野が7位、そして兒島が11位、梅澤は17位。

スクラッチ結果PDF
テンポレース結果PDF

エリミネーション

2周に1人が除外されていくエリミネーション。残り5人となった集団には兒島、岡本、山本、ベルナルド・ファンアールト(インドネシア)、キム・ヒョンセオ(YC1/韓国)。山本→キム→ファンアールトと除外され、残ったのは兒島と岡本。

この対決を兒島が制して1位を獲得。テンポレースで失ったポイントを取り戻す形で最終種目に臨んだ。

ポイントレース

グレアム・フリズリー(アメリカ)が暫定トップで100ポイント。兒島が98ポイントで2位、松田が94ポイントで3位、山本が84ポイントで4位、次いで岡本80ポイント、河野78ポイント、梅澤は62ポイントで11位として始まった最終種目。

梅澤の猛追

レースがスタートすると、前半は梅澤の集団追い抜き(+20ポイント)、そしてトップ争いは兒島が淡々と1着を重ねて行く一方で、暫定1位だったフリズリーが沈黙。兒島がレースをリードしていく。

しかし後半戦では梅澤の猛追が始まる。

残り40周を切ってトップ争いの選手たちを含まない逃げ集団が形成される。そしてその中には梅澤と山本が入っており、残り30周でメイン集団を追い抜くと、ポイント周回と合わせて梅澤は一気に25ポイント、山本は23ポイントを獲得。

暫定トップに梅澤(114ポイント)、2位に兒島(113ポイント)、3位に山本(107ポイント)、4位に松田(105ポイント)と、いきなり混戦状態となった。

残り20周のポイント周回でスピードを上げていく集団、梅澤、山本がポイントを得るが、兒島がポイントを得ず、暫定トップの梅澤がリードを広げていく。そしてポイント周回のスプリントの勢いそのままに梅澤がアタックし、集団から飛び出す。

冷静なレース展開 巧者の兒島

梅澤は下位選手たちと逃げ集団を形成。メイン集団へ距離を詰めていく。

しかしここで逃げ集団を単独で追ったのは兒島。

残り13周で梅澤の逃げ集団がメイン集団に追いつき、梅澤は更に20ポイントを獲得。これで梅澤は135ポイントになり、兒島以下の上位集団を突き放すことに成功した。

しかし、すぐ後ろに控えていた兒島。一人でメイン集団を追い抜くタイミングを待ち、残り10周のポイント周回の1着5ポイントに加えて、メイン集団の追い抜き(+20ポイント)を成功させ、25ポイントを獲得。合計を138ポイントとして暫定トップに返り咲いた。

最後までゴリゴリバトルの日本勢

3ポイント差で優勝を争う兒島と梅澤のバトルは最後まで続く。

最終ポイント周回では、逃げていた下位の選手がいたため1着は譲る形となったが、2~4着争いを繰り広げたのは兒島、梅澤、山本の3人。最後はスプリント勝負となり、山本→兒島→梅澤の順でフィニッシュ。

最終成績は兒島が梅澤の猛追を振り切る形で優勝(142ポイント)、2位に梅澤(137ポイント)、3位が山本(116ポイント)と、日本人が表彰台を独占する結果となった。

順位 選手名 所属 ポイント
1位 兒島直樹 日本 142
2位 梅澤幹太 日本(ブリヂストンサイクリング) 137
3位 山本哲央 日本(HPC) 116
5位 松田祥位 日本 105
6位 河野翔輝 日本(HPC) 104
9位 岡本勝哉 日本(ブリヂストンサイクリング) 82

最終結果PDF

兒島直樹 インタビュー

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