10月16日〜20日の4日間で実施された『2024世界選手権トラック』。その名の通り「世界ナンバーワン」を決める大会で、日本から3選手がアルカンシェル(世界一を示す虹色ジャージ)を得る快挙を成し遂げた。
男子ケイリン世界チャンピオン・山﨑賢人
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女子ケイリン世界チャンピオン・佐藤水菜
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男子スクラッチ世界チャンピオン・窪木一茂
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この3人はいずれも競輪選手。過去には世界選手権の結果をもって年末の競輪界最大レース『KEIRINグランプリ』への出場権を得た例があるが……
グランプリシリーズ選考基準
改めてKEIRINグランプリ2024、ガールズグランプリ2024の選考基準を確認してみよう。
KEIRINグランプリ2024
開催時S級在籍
(1)選考期間におけるG1優勝者
(2) パリオリンピック自転車競技ケイリン金メダル獲得者(選考時S級S班またはS級1班在籍)
(3) 選考期間における選考用賞金獲得額上位者(同額の場合は1月~10月開催までの平均競走得点上位者)
ガールズグランプリ2024
開催時L級在籍
(1)選考期間におけるG1優勝者
(2) パリオリンピック自転車競技ケイリン金メダル獲得者(1月から10月の平均競走得点が上位20位以内の者)
(3) 選考期間における選考用賞金獲得額上位者(同額の場合は1月~10月開催までの平均競走得点上位者)
オリンピックイヤー特別ルールにつき……
上記の選考基準に基づくと、今回の成績によってKEIRINグランプリ出場権を得た選手は存在しない。
2025年の選考基準であれば「(2)世界選手権自転車競技大会ケイリン金メダル獲得者」の項目があり、ケイリン金メダリストはその成績によってKEIRINグランプリに出場することが可能。
しかし2024年は「オリンピックイヤー特別バージョン」の選考基準となっていたため、該当者は現れなかった。
またA級1・2班所属選手は「オリンピック競技大会及び世界選手権自転車競技大会の自転車競技トラック種目において3位までに入賞したとき」にS級2班に上がることができるが、今回メダルを獲得した選手たちはいずれもすでにS級(またはL級)のため、該当する選手はいなかった。
なお窪木一茂は2022年に同種目で銀メダルを獲得した際、このルールによってS級2班に特別昇級している。
チャンピオンズリーグへの招待ありか?
自転車トラック競技の2024シーズンは世界選手権をもってひとまず終了となるが、この後には「アディショナルステージ」ともいえる『チャンピオンズリーグ』が控えている。
この大会は「招待制」で行われるもので、すでに日本からは橋本英也が招待を受けている。
世界選手権終了後に追加の招待選手が発表されるため、今大会で活躍した日本のメダリストたちも、この大会に招待される可能性は高い。
あいにく年間最後のG1レース『競輪祭』と被ってしてまう日程ではあるが、KEIRINグランプリへラストチャンスを諦めてこちらを取る……ということもあり得るかも。今後の発表に注目していただきたい。
ヤンググランプリ2024は確定者も
また、ヤンググランプリ2024の選考基準には以下の項目がある。
ヤンググランプリ2024選考基準
第121・123・125回生(KEIRINグランプリ2024出場資格を有する者は除く)
(1)パリオリンピック自転車競技トラック種目代表選手(開催時S級在籍)
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これにより、パリオリンピックにトラック競技代表として出場し、ヤンググランプリ対象の期別である太田海也&中野慎詞は、事実上『ヤンググランプリ2024』出場が確定していることとなる。
2024年の締めくくりに向けて
自転車トラック競技ナショナルチームメンバーとして、2024シーズンを駆け抜けた選手たち。過酷で、過密で、期待とプレッシャー、そして歓喜のシーズンであった。
競技シーズンが一区切りついて、競輪のシーズンがファイナルステージを迎える。2024年の締めくくりに向けて活動するナショナルチームメンバーたちをぜひ応援していただきたい。