伊豆ベロドロームで開催されている『2024全日本選手権トラック』の2日目。落車による途中棄権、最後まで誰が勝つか分からない緊迫のレースを制したのは垣田真穂。自身初となるオムニアム日本タイトルを獲得し、表彰台のトップに輝いた。
オムニアムとは?
4種目を行いその総合成績を競う。
レースに勝つための「スピード」「持久力」はもちろん、展開を読む「頭脳」も必要な総合力が試される種目。
女子オムニアム
この種目には6人がエントリー。
梶原悠未(TEAM Yumi)、内野艶和(チーム楽天Kドリームス)、池田瑞紀と垣田真穂(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学)のパリ組に加え、水谷彩奈(チーム楽天Kドリームス/日本体育大学)、渡部春雅(明治大学)が出場した。
スクラッチ 池田の抜け出し
終盤まで目立った動きはなく、一団で進んだ第1種目のスクラッチ。
残り5周のところで池田が仕掛けスピードアップ。池田が集団を抜け出す中、集団は牽制しあい最終周へ。
池田がそのまま逃げ切り1位、2位に梶原、3位に内野となった。
テンポレース
第2種目のテンポレースでは先頭交代ごとに順々に得点を重ねていくが、徐々に内野、梶原、池田の三つ巴となる。
内野と梶原が7ポイントで最終周を終えたが着順で内野が1位、2位が梶原、3位に6ポイントで池田となった。
エリミネーション 思わぬアクシデント
初回の除外周回で渡部が除外されると、残りはナショナルチームに所属する選手たちの戦いとなった。ここまで目立った動きを見せてきた内野、梶原、池田の3選手を中心に進むと思われたが、2回目の除外周回で梶原と内野が落車しレースは一時中断。
梶原は負傷によりここで途中棄権、落車の原因を作ったとして水谷が失格となってしまった。
中断時点で残っていた内野、池田、垣田の3名でレースを再開すると、まずは内野が除外となり、垣田と池田の一騎打ちで最終周回へ。
勝負は内から先にアタックした垣田が逃げ切り1位を獲得。2位に池田、3位に内野となった。
ポイントレース
梶原の棄権により池田瑞紀(114ポイント)、内野艶和(112ポイント)、垣田真穂(104ポイント)、渡部春雅(92ポイント)の4名で迎えた最終種目。レースは80周20kmで争われ、ポイント獲得周回は8回となる。
上位3名のポイント差はわずか「10」。
4名でのレースとなり全員にポイントが入るため、それぞれの思惑が入り乱れつつレースが進む。
1回目のポイント周回で1位を取ったのは垣田。
その後は内野、池田もそれぞれポイント周回で1位を取る展開となり、7回目のポイント周回を終えての上位3名は内野(133ポイント)、池田(132ポイント)、垣田(130ポイント)と接戦になった。
最終のポイント周回は2倍(1位:10ポイント、2位:6ポイント、3位:4ポイント、4位:2ポイント)のポイントが得られるため、
最終周回で1位を取れば優勝というエキサイティングな展開。
迎えた最終周回。
後方にいた池田が一気に前に出るが、それに合わせる形で垣田もついていく。
内側で粘る池田だが、最終コーナー付近で垣田が外から捕まえ1着フィニッシュ。
この種目開始前は暫定3位だった垣田が、最後の最後に大逆転を見せて自身初となる女子オムニアム全日本タイトルを獲得した。2位は池田、3位は内野という最終結果となった。
順位 | 選手名 | 所属 | ポイント |
1位 | 垣田真穂 | チーム楽天Kドリームス/早稲田大学 | 140 |
2位 | 池田瑞紀 | チーム楽天Kドリームス/早稲田大学 | 138 |
3位 | 内野艶和 | チーム楽天Kドリームス | 137 |