2024年8月9日、パリオリンピックの自転車トラック競技種目の5日目には女子マディソンが開催され、日本からは新進気鋭のコンビ内野艶和&垣田真穂が出場し、夢の大舞台に挑んだ。落車のアクシデントを乗り越えて2人の成績は12位。実りの多いレースとなった日本チーム、そして優勝争いのレポートをお届けする。
マディソン
ルールはポイントレースと同様で、10周ごとのスプリント周回で
1着:5ポイント
2着:3ポイント
3着:2ポイント
4着:1ポイント
が与えられ、最終的な合計ポイントが多いチームが勝利となる、というもの。1周追い抜き(ラップ)をすれば+20ポイントも可能。
ポイントレースと異なるのは「2人1チーム」で行う点。交代で走ることで、疲れのないフレッシュな脚で仕掛けていくことが可能となる。交代は相手にタッチすれば良いが、多くの場合は「ハンドスリング」と呼ばれる手を繋いで相手を投げ、スピードを渡すような交代方法を取る。
決勝 オリンピックのレベル 日本勢が経験した初のオリンピック
レースは15組30人が出場。距離はトラック120周、30kmで行われた。レース前には2024ネーションズカップ第2戦で金メダルを獲得したこともある内野艶和&垣田真穂のペアで挑む。もしかしたらメダルも……と期待を持たずにいられない勢いのある日本チームのレースが始まった。
スタートから思い通りにいかず
レーススタート後、日本チームは最初の交代のタイミングで交代ミスをしてしまう。集団内での交代となったが、他の選手たちが壁となり交代に失敗してしまったのだ。交代ができなかったこと自体は大きな問題ではないが、このレースを暗示するかのような動きとなった。
残り115周あまりのところでは、交代時に垣田が落車するアクシデントも発生。だが大きな怪我はなく、そして日本チームの迅速なサポートもあり、すぐに垣田は復帰した。
2回目となるスプリント周回。集団の前方で垣田⇒内野と交代した日本チームは4番手でポイント周回を目指す。内野が加速していくが前の3人を捕らえることができずに、内野は4着1ポイントを得た。
その後は集団の前方で積極的にポイントを獲得しにいくが、毎回のポイント周回で7~8番手となってしまい、積極性は見せるがポイントが加算されていかない。
イタリア、イギリス、アメリカ、フランスなどがポイント重ねていく中、オランダが残り60周を切ってアタック。このアタックは成功し、単独で周回を重ねていくとわずか10周程度でメイン集団に追いつき20ポイントが加算。暫定トップはオランダとなった。
あっという間に半分が過ぎたレース。順位を決定付けた動きは残り40周を切り、イタリアのアタックが決まったところだった。単独でイタリアが抜け出すと残り30周のポイント周回での1着とメイン集団の1周追い抜きを成功させて、合計25ポイントを獲得。すべての国のポイントを上回り、暫定ながらトップ順位を手にした。
トップはイタリア32ポイント、オランダ28ポイント、イギリス21ポイント、日本は1ポイントで迎えた残り10周回となるポイント周回。ここで勝利を盤石にするためにイタリアが1着5ポイントを獲得し、オランダ、イギリスが逆転できる可能性をほぼ潰すことに成功した。
最後まで続いたのは2位争い。ダブルポイントとなる最後のスプリント周回では、イギリスが集団から抜け出して1着(10ポイント)フィニッシュ。オランダははるか後方でポイントを獲得できずに、なんとイギリスが31ポイントで逆転を果たし2位となった。
優勝はイタリア、2位にイギリス、3位にオランダ、そして日本は序盤の1ポイント獲得に留まり、全体では12位という最終結果となった。
最終リザルト
順位 | 選手名 | 所属 | ポイント | |
1位 | キアラ・コンソーニ ヴィットーリア・グアッツィーニ |
CONSONNI Chiara GUAZZINI Vittoria |
イタリア | 37 |
2位 | エリナー・バーカー ネア・エバンス |
BARKER Elinor EVANS Neah |
イギリス | 31 |
3位 | マイケ・ファンデルドゥイン リサ・ファンベル |
van der DUIN Maike van BELLE Lisa |
オランダ | 28 |
12位 | 内野艶和 垣田真穂 |
日本 | 1 |