パリオリンピックで初開催となる「3人制の女子チームスプリント」。
東京オリンピックまでは「2人で2周走る」ものだったのが、東京オリンピック以降から「3人で3周走る」男子と同様のルールに変更。3人制になってまだ3年ほどということもあり、タイムがめきめきと進化している種目でもある。
そしてその「進化っぷり」は、オリンピックの舞台でも遺憾無く発揮。日本チームの出場こそなかったが、初日に行われた女子チームスプリントで出た世界記録を振り返っていこう。
従来の世界記録:45秒487
中国/2024年6月26日
グオ・ユーファン | GUO Yufang |
バオ・ジャンシュー | BAO Shanju |
ユアン・リイン | YUAN Liying |
パリオリンピック
パリオリンピックの女子チームスプリントは1日目(8月5日)に予選→1回戦→決勝の全ラウンドが実施された。まずは予選でイギリスが世界新を叩き出す。
①予選:45秒472
イギリス
ケイティー・マーシャン | MARCHANT Katy |
ソフィー・ケープウェル | CAPEWELL Sophie |
エマ・フィヌカン | FINUCANE Emma |
しかし1回戦で、ドイツが45秒3秒台の新記録を樹立。
②1回戦 2組目:45秒377
ドイツ
エマ・ヒンツェ | HINZE Emma |
リー ソフィー・フリードリッヒ | FRIEDRICH Lea |
ポーリン・グラボッシュ | GRABOSCH Pauline |
③1回戦3組目:45秒348
ニュージーランド
キーラ・ランベリン | LAMBERINK Kyra |
ヘッティ・ファンデヴォウ | van de WOUW Hetty |
ステフィー・ファンデルピート | van der PEET Steffie |
ところがどっこい、先ほど記録を破られたイギリスが2回目の世界記録を更新!
④1回戦 4組目:45秒338
イギリス(2回目!)
ケイティー・マーシャン | MARCHANT Katy |
エマ・フィヌカン | FINUCANE Emma |
ソフィー・ケープウェル | CAPEWELL Sophie |
イギリスやべえぞ決勝戦
世界記録塗り替え合戦となった1回戦を経て、迎えた決勝ラウンド。順位決定戦から銅メダル決定戦までは世界記録は生まれなかった。
頂上決戦となるイギリスvsニュージーランド戦。ここでイギリスが、本日3回目の世界記録を叩き出す。
⑤決勝戦:45秒186
イギリス(3回目!)
ケイティー・マーシャン | MARCHANT Katy |
エマ・フィヌカン | FINUCANE Emma |
ソフィー・ケープウェル | CAPEWELL Sophie |
45秒338から一気に45秒186にタイムを縮め、金メダル獲得と世界記録更新を達成。全チーム通して数えると1日で5回も世界記録が更新された女子チームスプリントとなった。
初めての3人制女子チームスプリント
前述したように、これはオリンピックとしては初めての3人制女子チームスプリントとなる。
歴史が短い分これから更にタイムや戦術が成熟し、4年後のロサンゼルスオリンピックにはもっと速いタイムが生まれていることだろう。
進化を続ける女子チームスプリントに今後も注目していただきたい。