パリオリンピック直前合宿をフランスのルーベで行っている自転車トラック競技日本代表選手たち。合宿地にて、太田海也選手にオリンピック直前の「今の声」を聞かせていただいた。

応援に見合うパフォーマンスを発揮したい

Q:いよいよ開会式目前となりました。今の心境は?

日本を旅立つ前は緊張がありましたが、ルーベの合宿地についてフランスの時間に適応してくると、感覚としてはリラックスしている感じ。レースの前の静けさじゃないですが、心も体もリラックスして合宿に挑んでいます。

Q:日本からさまざまな形で応援の声が届いているかと思います。

応援の声を全部受け止めて力に変える、というほどの余裕は正直今の自分にまだありません。でも本当に多くの声を聞かせていただいているので、その応援に見合うパフォーマンスを本番で発揮したいと思っています。

Q:ルーベ合宿も仕上げの段階。順調にこれましたか?

ルーベに入ったらコンディションも良くなってきて、最後の土壇場で調整が合ってきているのかなと感じます。

チームのエースとして

Q:チームスプリント、スプリント、ケイリンの3種目への出場です。

この合宿でチームスプリントの練習をしても、1走の長迫吉拓選手、3走の小原佑太選手のパフォーマンスが上がっているのを実感しています。それに比べて自分が今までと同じくらいのパフォーマンスで、2人に引き上げられているような感覚。本番はしっかりチームのエースとして、一番良いパフォーマンスで走れるようにしたいと思っています。

Q:個人種目では、世界が「対 太田海也」として挑んでくるかと思います。

世界の中で名前を知っていただいた今シーズンだったと思います。だからこそ対策も練られるかと思うのですが、それ以上の対策をして、こちらから挑んでいきたいと思っています。

Q:やるべきことは全てやりきれましたか?

やるべきこと、やりたかったことはまだたくさんあります。でも自分のキャパシティでやれることは全てやってきました。そういった意味で、今の体のコンディションはできあがっていると思うので、しっかり本番で発揮させたいと思います。

オリンピックという舞台は僕にとって未経験の、初めての舞台。でも日本のレースを走る時と同じように走ることが、逆に重要なのかなと。どうしても緊張して上がってしまうと思いますが、リラックスしていつもの自分のパフォーマンスを出す気持ちで走れば、声援に背中を押されて120%が出せるんじゃないかなと思います。

Q:当日にパフォーマンスを最高のものにするには、何が一番大切だと思いますか?

これまでの半年、1年の生活が大切なものだったと思います。この日々を振り返って「やれることはやってきた」と思えます。だから、戦う準備はもうできています。

「2つ目の夢」を叶える

Q:パリの舞台で成し遂げたいことはなんですか?

同じ会場での大会は2年前に一度経験していますが、2年前に世界選手権前のトレーニングをして、正直「人生の夢が叶っちゃったな」と思いました。

でもその2週間後、世界選手権でハリー・ラブレイセン(オランダ)やマシュー・リチャードソン(オーストラリア)の背中を見て「俺の夢がもう一個現れた、この選手たちを追い越したい」と思いました。

次の夢を見つけるためにも、この「2つ目の夢」をしっかり叶えて、オリンピックのメダルを獲りたいと思います。

Q:最後に、応援してくださるみなさまへメッセージをお願いします。

オリンピックの舞台、自分の実力を発揮して頑張ります。応援よろしくお願いします!