パリオリンピック直前合宿をフランスのルーベで行っている自転車トラック競技日本代表選手たち。合宿地にて、中野慎詞選手にオリンピック直前の「今の声」を聞かせていただいた。

応援に力をもらっている

Q:開幕が目前に迫り、今の心境はどうですか?

思っていたほど、緊張した感じはありません。大会に向けて良いリラックスと程よい緊張感で過ごせていると思います。

Q:日本からいろんな形で応援の声が届いているかと思います。

オリンピックは4年に1回だからこそ、よりたくさん応援していただいているなと思います。「普段と違った大会」という感じではあるんですが、だからといって普段と違うことをしてしまうのも良くない。変にプレッシャーをかけすぎないようにしています。

でも、もちろん力をいただいています。オリンピックのことを考えてしまう時、そういうメッセージを見ると嬉しいですし、頑張ろうという気持ちになります。

Q:直前合宿も仕上げの段階かと思います。順調にきていますか?

はい。過去には大会直前より前に調子が上がり切ってしまうこともあったんですが、今回は伊豆にいる間はそんなに調子が良いわけでなく、こっち(ルーベ)に来てから段階的に上がっている感じ。感覚としてはすごく良いかなと思います。

Q:チームパシュートにも出場されます。

短距離は0か100かみたいなところがありますが、チームパシュートは良いラップタイムを刻み続ける必要があります。その感覚を体に覚え込ませるのが大変で、早く入りすぎてしまうようなところがあり、後ろの選手のフィードバックをもらいながらトレーニングをしています。

もちろんこの種目でも自分の力を100%出して臨もうと思っていますし、自分の仕事を最大限こなしたいと思っています。1走としてスピードに乗せて、だいたい1kmくらい前を牽くのが戦略です。

Q:ではケイリンについて、心構えはできてきていますか?

はい、できつつあります。目指してきた最高の舞台ですので、しっかり力を発揮して自分の走りをしたいと思っています。そこにフォーカスして戦略を立てたり、気持ちを作っていったりして臨みたいと思います。

「いつも通り」を当日まで

Q:どんな心境で臨むことがベストですか?

もちろん緊張はすると思います。その緊張でガチガチになるというより、冷静に落ち着いた状態で走ることが大切。変に予選から「金メダル金メダル!」となると守りに入ってしまうし、最初から欲を出したレースをして結果を逃すことは、これまでにもありました。

もちろん金メダルが目標。でもまずは目の前のレースで自分の力を発揮する、展開を読んで冷静に判断できるようにしたいと思います。

Q:最高のパフォーマンスを出すために、一番重要だと思うポイントは?

世界選手権も緊張しましたが、やっぱりオリンピックですから、自分がどういう気持ちになるのか、まだ未知の部分があります。

こちらに来る前に新田(祐大)さんから「オリンピックとなると、日常生活の部分でも普段と違うことをやりたくなってしまうけど、それは絶対にやるな」と言われました。今まで通りの時間に寝起きして、今まで通りの時間にご飯を食べる。「今まで通り」の生活を当日までしっかり続けるようアドバイスをいただいたので、それはしっかりやりたいなと思います。

レースに関しては世界選手権やネーションズカップと同様に、強い気持ち、負けねえぞという気持ちで戦う。そして自分にとって一番落ち着くのは「3回の深呼吸」なので、しっかり深呼吸して集中して臨みたいと思います。

いざ夢の舞台へ

Q:パリで成し遂げたいことはなんですか?

「夢」を掴み取りたいです。

この夢の中には、僕が自転車を始めるきっかけとなった師匠である佐藤友和選手への憧れがありますし、そこからスタートして「オリンピックで金メダルを獲りたい」という目標ができました。

小さな頃から夢を追い続けてきて、「オリンピック出場」という夢はクリアすることができました。次は「メダル」なので、しっかり掴み取りたいと思います。

Q:応援してくださる方々へメッセージをお願いします。

自分史上最高の舞台で、自分の力で「夢」を勝ち取りたいと思います。応援よろしくお願いします!