2024ネーションズカップ第2戦香港大会。男子マディソンで窪木一茂&橋本英也ペアが落車を乗り越えて銅メダルを獲得、日本勢として2年ぶり2回目となるネーションズカップでの表彰台を得る結果となった。レースの詳細をお伝えする。

男子マディソン

2024ネーションズカップ第2戦香港大会。大会最終日となる3月17日には男子マディソンが行われ、日本から窪木一茂&橋本英也ペア(ナショナルチーム)、そして今村駿介&兒島直樹ペア(チームブリヂストンサイクリング)が出場した。

出場は22チームだが、予選を経ての本選出場は18チーム、36人となる。日本チームもチームブリヂストンサイクリングも予選を突破し本選へ。

【マディソンルール】

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本選は200周、50kmのレース。10周毎にポイント周回が設けられる。ポイント周回の他にもメイン集団を1周追い抜きすれば20ポイントを得ることもできる。最後に獲得ポイントが高かったチームが優勝となる。

まず、レース冒頭にいきなり橋本が落車。これが日本の物語の始まりとなった。幸い落車後に再び自転車に跨った橋本と窪木は、集団の中でなかなか前に出ることなく周回を重ねていく。

ニュージーランド(アーロン・ゲイト/キャンベル・スチュワート)

一方、デンマーク、ニュージーランド、ドイツ、スペインなど強豪国がポイントを分け合うような形でレース序盤は過ぎていく。

スペイン(セバスチャン・モラ/アルベルト・トーレス)

交代してはダッシュ、交代してはダッシュを繰り返すハイスピードな展開で、日本勢はポイントを得ることが難しい展開の中、日本ナショナルチームに大きな動きがあったのは80周を過ぎたところ。

集団からニュージーランド、そして日本中心に飛び出すと逃げる先頭集団を形成。この中には日本、ニュージーランド、ドイツ、スペインなどトップを争うチームが含まれ、残り50周を前にメイン集団を追い抜くことに成功した。

しかしこの動きは1周追い抜いたのではなく、周りが1周遅れたと判断され、追いつかれた下位チームにはマイナス20ポイントが与えれる判断となった。日本は一連の動きで3ポイントを獲得。ここまで合計を5ポイントとして終盤戦を迎えた。

諦めない日本ナショナルチーム 単独でメダル争いへ復帰

この時点でメダル圏内にいるチームは20ポイント以上を獲得していたが、日本ナショナルチームが大きな動きを見せていく。

残り35周ほどで集団から窪木が飛び出すと、単独アタックが成功。日本チームが先頭で周回を重ねていく。そして残り30周と残り20周のポイント周回で1着となり10ポイントを獲得。

残り15周の時点でメイン集団に追いつくことにも成功し20ポイントを得ると、合計30ポイントと大量ポイントを得て一気に暫定2位にまで位置を上げた。

残り2回のポイント周回を残し、暫定上位はニュージーランドが43ポイント、日本が35ポイント、スペイン31ポイント、ドイツ28ポイント。日本の獲得に一気に期待が掛かる展開となる。

残り10周となるポイント周回。ここでは日本は前に出ることが出来ずにニュージーランドが3着2ポイントを加算。金メダル獲得へリードを盤石なものにしていく。

最後にスペインを捕らえられず 3位で銅メダルを獲得

残すは最大で10ポイントが得られる最終周回のみとなったレース。最後に10ポイントを加算すれば金メダルの望みもあった日本チームだが、ポルトガルが逃げていたため、金メダルの可能性は消滅してしまった。しかし思わぬところで最後の動きが出てくる。

ニュージーランドとスペインを含む少人数集団が逃げるポルトガルとメイン集団の間に形成されると、日本はメイン集団に取り残されてしまう。

最終周回前に前方の集団を追う日本チームだったが、追いつくことは出来なかった。そしてなんとスペインが2着4ポイントを得てしまい、最後に合計を35ポイントまで伸ばすことに成功。ポイントは日本と並んだものの、ルール上最後の着順が優先されることから、スペインが2位、そして同ポイントながらも日本は最終成績を3位として男子マディソンの長いレースが終わった。

優勝はニュージーランド(45ポイント)、そしてスペインが2位、同ポイントで並んだ日本が3位の最終結果となった。チームブリヂストンサイクリングは-13ポイントで完走し、順位を12位とした。

日本ナショナルチームのこの種目でのメダル獲得は2022シーズンのネーションズカップ第1戦以来2年ぶり2回目となった(当時は窪木一茂&今村駿介ペア)。

順位 選手名 所属 ポイント
1位 アーロン・ゲイト
キャンベル・スチュワート
GATE Aaron Murray
STEWART Campbell
NZL 45
2位 セバスチャン・モラ
アルベルト・トーレス
MORA VEDRI Sebastian
TORRES BARCELO Albert
ESP 35
3位 橋本英也
窪木一茂
JPN 35

今村駿介&兒島直樹ペアは12位。

最終結果PDF

選手インタビュー

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