女子スプリントは現世界チャンピオンvs 2022世界チャンピオンの決勝が行われ、現世界チャンピオンが強さの証明をした。日本勢は佐藤が最高位で7位となった。レースの内容をお伝えする。
女子スプリント
2024ネーションズカップ第2戦香港大会。3月16日に行われた大会2日目には女子スプリントが行われた。この種目には40人が出場。日本からは第1戦で銀メダルを獲得した佐藤水菜、梅川風子(チーム楽天Kドリームス)、そして太田りゆ(ナショナルチーム)と酒井亜樹(ナショナルチーム)が出場した。
現世界チャンピオンのエマ・フィヌカン(イギリス)、2022世界チャンピオンのマチルド・グロ(フランス)、第1戦で佐藤を下して優勝したエマ・ヒンツェ(ドイツ)など、オリンピックでメダル候補となる選手たちも集った。
この種目は予選(200mフライングタイムトライアル)⇒1回戦⇒2回戦⇒準々決勝(ここから2本先取)⇒準決勝⇒決勝の勝ち上がりとなる。一日で最大12本を走るという、ネーションズカップならではの勝ち上がれば勝ち上がるほど体力的に厳しくなるスケジュール。
予選結果は以下の通り。28位までが1回戦へと進む:
日本の選手は佐藤の7位を最上位として3人が1回戦進出を決めた。酒井は僅かながら予選突破に届かず。
1回戦
1回戦、佐藤はジュリ・ミシャウ(フランス)との対戦を追い込みで制して2回戦へ。
梅川はミリアム・ヴェチェ(予選14位)との対戦。残り2周を切って前に出ると、最終周回に入って先行していく。しかし最終コーナーで梅川を捕らえたベーチェが先着。梅川は勝ち上がることができなかった。
太田はヤナ・ブルラコヴァ(予選20位)との対戦。後ろで攻め時を探る太田だが、太田の進行方向を前で上手く遮るブラコワ。残り1周を前に後ろから強引に太田がスピードを上げていくが、ブラコワの前に出れずに残り半周から太田が再び仕掛けていく。しかし最後まで太田は前に出れずに2着でフィニッシュ。2回戦進出はできなかった。
不意を突かれた佐藤:2回戦
ユアン・リイン(中国)との対戦。佐藤が前となって加速していくと、残り1周となるところでユアン・リーインが内側から佐藤を追い抜いていく。不意を突かれる形で内側から現れたユアン・リーインと並走をする佐藤だが、残り半周で後方から仕切り直して仕掛ける。
佐藤はフィニッシュラインまで踏み込んだものの、届かず2着となった。しかし走行中に内側を佐藤が走っているにも関わらず更に内からユアン・リーインが攻めたことが走行違反となり降格。佐藤が準々決勝へと進むことになった。
僅差のフィニッシュだが、勝ち上がれず
2022世界チャンピオン、マチルド・グロとの対戦となった準々決勝。1本目は佐藤が追い込み写真判定の僅差となったがグロが先着。追い込まれた2本目。前に佐藤、後ろにグロでレースがスタートする。2車身ほどの差をキープしながら進む両者に動きが出てきたのは残り2周を切ってから。佐藤がスピードを上げていき、最終周回に入って両者がスプリント体制に入る。
残り半周を切って後方から佐藤に並びかけてきたグロ。最終コーナーを抜けてほぼ横並びとなってゴールラインに飛び込んだ両者だったが、僅かに佐藤は抜かれてしまい2本目も落とすことになった。この結果、グロが準決勝進出を決めた。
決勝 現世界チャンピオンvs 2022世界チャンピオン
現世界チャンピオンのエマ・フィヌカン(イギリス)vs 2022世界チャンピオンのマチルド・グロ(フランス)の頂上決戦。1本目をフィヌカンが制しての2本目は、フィヌカンがグロとの距離を保ちつつ、最終周回でバンクの傾斜を上手く使って逃げていく。
最終ストレートでもフィヌカンはグロに追いつかれることなく逃げ切り、力の差を見せてのストレート勝ち。
この結果優勝はエマ・フィヌカン(イギリス)、2位にマチルド・グロ(フランス)、3位はリーソフィー・フリードリッヒ(ドイツ)となった。
日本勢の最終成績は佐藤が7位、太田が17位、梅川が20位という結果。
順位 | 選手名 | 所属 | |
1位 | エマ・フィヌカン | FINUCANE Emma | GBR |
2位 | マチルド・グロ | GROS Mathilde | FRA |
3位 | リー ソフィー・フリードリッヒ | FRIEDRICH Lea Sophie | GER |