「UCIトラックチャンピオンズリーグ」の第4戦がロンドンで実施された。男子中長距離で暫定総合3位でスタート橋本英也は、逆転をかけてレースに臨んだが、スクラッチで5位。そしてエリミネーションでは10位。結果として総合順位を一つ落とし、4位として11日(土)現地夜に実施される最終戦、第5戦に臨むことになった。
2023年11月10日に実施された「UCIトラックチャンピオンズリーグ第4戦」。ここまでの3戦を終えて、橋本英也は暫定総合3位でレースをスタートする。各種目のリーダーの証「ブルージャージ」を着用してレースをスタートしたのは以下の4人。
男子短距離:ハリー・ラブレイセン(オランダ)
男子中長距離:ディラン・ビビック(カナダ)
女子短距離:エルレス・アンドリュース(ニュージーランド)
女子中長距離:ケイティ・アーチボルド(イギリス)
男子中長距離トップはディラン・ビビック(カナダ:96ポイント)、そして2位のジュールス・ヘスタース(ベルギー:70ポイント)
続いて橋本(69ポイント)。トップのビビックとのポイント”差は”27”。この第4戦、と翌日に迎える最終戦で上位2人との差をどれほど覆せるのか、橋本の巻き返しに期待がかかった。
スクラッチ
トラック20周、5kmのスクラッチ。集団からはアタックが起こるが、抜け出しを許さずにレースが進む。
残り2周の時点で、橋本は前から3番目と絶好の位置となる。しかし集団がスプリント勝負に向けて熱を帯びていく中、大外から前に飛び出ていったのはロイ・エイフティング(オランダ:15位)。一気に集団を突き放すと、単独で先行が始まる。一方、エイフティングを追いかける集団の先頭は橋本となる。
最終周回に入り、エイフティングが更に距離を開けて逃げていくと、そのまま逃げ切って1着。上位がいる集団内での争いは、橋本が粘りを見せるが、数人の選手が橋本を追い抜いていく。総合トップのビビックも橋本を追い抜いていき2着でフィニッシュ。橋本は5着となった。このレースが始まる前に暫定2位だったへスタースは10着で、大きく後退。一方、開催国のスクラッチ世界チャンピオン、ウィリアム・ティドボールが4着でポイントを加算し、総合80ポイントで橋本と並び、暫定2位タイとなる結果を残した。ビビックは総合を113ポイントとして、逃げ切るに十分なポイントを得て、エリミネーションへ。
エリミネーション
2周に1回、最後尾の選手が除外されていき、最後までの生き残りをかけて勝負するエリミネーション。
このレースでは第1戦、第3戦と1位になっている総合トップのビビックが再び活躍すると思われた。
しかし残り13人となった序盤で、橋本が集団後方で追い込まれる中、橋本はホームストレートでスピードを上げて位置を上げていく。ゴールラインを走り抜けた際には橋本を含む4人が横並びの形だったが、最も内側にいた総合トップのビビックが除外される、まさかの事態が発生した。
ポイント差を埋めるために大きなチャンスを得た橋本。残り12、11人と集団が少なくなっていく。
そして残り10人となった中盤戦、後方で内側に位置した橋本は除外周回で前への道が他の選手たちによって塞がれてしまう。何とか除外を避けるために選手間のスペースを狙って突っ込むが、届かずに最後尾となってしまい除外。大きなチャンスを活かすことは出来なかったものの、ビビックとのポイント差を”3”縮めることに成功した。一方で暫定2位タイだったティドボールが自国の観客の前で大活躍をして1位となり、20ポイントを獲得。橋本を突き放す形で総合単独2位となった。
第4戦を終えて
第4戦を終えてトップはビビック(カナダ:116ポイント)、次いでティドボール(イギリス:100ポイント)、3位にジュールス・ヘスタース(ベルギー:93ポイント)、そして4位が橋本英也(86ポイント)となった。
第4戦でビビックが早々にエリミネーションで除外されるなど、まだまだリーダージャージを巡る戦いの行方は分からない。橋本の逆転、そして最終日での活躍を願いたい。
女子中長距離はリーダーのケイティ・アーチボルド(イギリス)が大声援を受けてエリミネーションで1位。第4戦もリーダージャージを守り抜いた。2位のアニータ・ステンバーグ(ノルウェー)とは12ポイント差となっている。
男子短距離はハリー・ラブレイセン(オランダ)がスプリントの決勝でマシュー・リチャードソン(オーストラリア)との勝負を制して、第3戦のリベンジを果たす形となった。ケイリンは現世界チャンピオンのケビン・キンテロ(コロンビア)が、ラブレイセンとの我慢比べに勝利して1位となった。最終戦を前に、ラブレイセンが2位のリチャードソンに「29ポイント差」を付けて独走している。
女子短距離はアレッサ カトリオナ・プロップスター(ドイツ)がスプリントを制し、ケイリンはマーサ・バヨナ(コロンビア)がこのシリーズ初勝利となる1位を得た。リーダージャージは変わらずエルレス・アンドリュース(ニュージーランド)。しかし2位のプロップスターとのポイント差は”7”と僅差の戦いとなっている。
全5戦の総合獲得ポイントで順位を争うUCIトラックチャンピオンズリーグ。残すレースは最終戦のみとなった。最終戦は11月11日(土)イギリス・ロンドンにて実施される。
大会はスピードチャンネルで全レース生中継予定。
満面の笑みの橋本英也を見ることができるのか、他の種目のトップ争いは?
是非ともご覧いただきたい。