「UCIトラックチャンピオンズリーグ」の第1戦で暫定総合トップとなった橋本英也がブルージャージを再び獲得する活躍を見せた。本記事ではドイツ・ベルリンでの橋本英也のレースをお伝えする。

2023年10月28日に実施された「UCIトラックチャンピオンズリーグ第2戦」。第1戦を終えて暫定総合トップは以下の通りとなり、ポイントリーダーの証「ブルージャージ」を争うレースが再び繰り広げられた。

男子短距離:ハリー・ラブレイセン(オランダ)
男子中長距離:橋本英也(日本)
女子短距離:アレッサ カトリオナ・プロップスター(ドイツ)
女子中長距離はケイティー・アーチボルド(イギリス)

短距離はケイリンとスプリント、中長距離はスクラッチとエリミネーションが実施される。

第1戦を終えて、男子中長距離で暫定トップとなったのは日本から1人で参戦している橋本英也(31ポイント)。暫定2位のディラン・ビビック(カナダ:25ポイント)との差を守るべく、総合トップの証”ブルージャージ”を身に纏い第2戦に臨む。

スクラッチ:一時的に失ったリーダージャージ

レースは5km、20周の戦い。どんどんぺースが上がっていく中で、残り10周辺りで集団からアタックし、抜け出したのは暫定2位のディラン・ビビックを含む2人。このアタックを許してしまった橋本を含む大集団は追う姿勢を見せずに、残り3周を切ってその差は半周ほどとなる。前の2人の逃げ切りが濃厚となる一方、集団内では橋本が先頭でペースを上げていく。

前を行く2人の勝負はビビックが単独で駆け抜けていくことになり、観客を盛り上げるパフォーマンスを見せてフィニッシュ。この種目を1位、20ポイントを獲得して終える。

後方集団での勝負は、橋本が最終周回前に2人に追い抜かれて、集団スプリントでは3番目となる全体の5位でフィニッシュ。橋本は11ポイントを獲得したものの、ビビックが総合を45ポイント、橋本は42ポイントとして、一時的に総合トップの立ち位置を失う結果となった。

男子スクラッチ結果

エリミネーション:会場が沸く 橋本の力強い走り

3ポイント差で総合トップをビビックと争う橋本。レースは2周に1人、最後尾の選手が除外されていくエリミネーション。

レース中に何度か危機を迎える橋本だが、ギリギリのところで大外から加速して終盤戦まで生き残っていく。

終盤、残り5人となった集団は、橋本とビビック、マティエス・ブフリ(オランダ)、ウィリアム・ティドボール(イギリス)、ジュールス・ヘスタース(ベルギー)。

橋本が先頭、ヘスタース、ティドボール、ビビック、ブフリと並んだ除外周回。前の3人に動きは無いものの、内側にビビック、外側にブフリで並んだ最後尾。行き場の無いビビックが出来る限り前へと詰めていきながらフィニッシュラインへと飛び込んでいく。ブフリも外側から追い上げていくと、ほぼ同時にフィニッシュラインを通過したが、僅差でビビックが除外される結果となった。

残り4人。更に先頭でスピードを上げていく橋本は、ブフリを置きざりにして除外へ。トップ3が確定される。

残り3人となった橋本、ティドボール、ヘスタースは、ヘスタースが単独で抜け出すと3位争いは橋本とティドボールの勝負となる。除外周回に入って最後尾でティドボールを追う橋本となるが、ホームストレートでティドボールを捕らえて先着。

残るはヘスタースとの一騎打ちとなるが、大きくリードしたヘスタースを追うことを諦め、この種目を2位で終えた。橋本は17ポイントを加算し総合を59ポイント、総合トップを争うビビックは11ポイント獲得の56ポイントとなり、スクラッチで失った”ブルージャージ”を取り戻す活躍を見せて、橋本が第1戦に続き第2戦も総合トップの座を得ることになった。

男子エリミネーション結果

橋本英也 レース後インタビュー

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