2022アジア競技大会(杭州)、男子のオムニアムには14人がエントリー。日本からは世界選手権で銅メダルを獲得した今村駿介ではなく、チーム最年長の窪木一茂が出場した。

最終種目で見事に逆転した窪木が金メダルを獲得。チーム最年長だが、年々強くなっていくベテランの活躍をお伝えする。

2023年9月28日に男子オムニアムが行われた。

第1種目スクラッチ:集団スプリントでスピードを見せる

レースは40周、10kmの戦い。途中でアタックが散発するが、決定的な逃げにはならずにレースは終盤へ。残り5周の時点で集団がまとまると先頭は窪木。カザフスタン、香港、韓国と続いて位置取り争いが始まる。

外から外からと選手たちが先頭を争う中、窪木は内側に位置していたにも関わらず、持前のスピードとバイクコントロールで2番手から3番手の絶好の位置をキープしていく。

ヤン・ヤン(YANG Yang)

残り2周に入り、大外から上がってきたのはヤン・ヤン(中国)。一気に先頭に出ると、そのまま加速して単独で集団から抜け出すことに成功する。一方、ヤン・ヤンを追うのは窪木。3番手の位置から加速していくと、2番手のリャン・カーユー(香港)と並走してフィニッシュに向けて加速していく。

ヤン・ヤンが逃げ切って先着。2着争いは、最後に伸びた窪木。僅差で3着がリャン・カーユーとなった。

スクラッチ結果PDF

第2種目テンポレース:終盤にまとめてポイント奪取

前半は集団内に潜んでいた窪木。終盤にアタックすると、アフメド・アラマンスーリ(UAE)と協調しながらポイントを獲得していき、計7ポイントを獲得。

アフメド・アラマンスーリ(ALMANSOORI Ahmed)

アラマンスーリが12ポイントで1位、ベルナルド・ファンアールト(インドネシア)が2位、3位に窪木となる。

テンポレース結果PDF

第3種目エリミネーション:アクシデント?

4種目の中で最も盛り上がりを見せるエリミネーション。2周に1回、最後尾の選手が除外されていき、残った選手が勝利を得る。レースの序盤は窪木が先頭付近でレースを展開していくが、残り9人となったところで窪木が集団から下がっていくと自ら手を挙げて何かをアピールして除外となってしまった。

アリヨム・ザカロフ(ZAKHAROV Artyom)

この種目を制したのはアリヨム・ザカロフ(カザフスタン)。

窪木は2種目終了時に暫定トップだったものの、この種目終了時には暫定順位を4位にまで落とす結果となった。

エリミネーション結果PDF

最終種目ポイントレース:実力発揮 逆転で勝利

最終種目を前にトップのアフメド・アラマンスーリ(UAE)と暫定窪木のポイント差は6ポイント。窪木が逆転優勝に向けてポイントレースに臨む。

レースは100周回で10回のスプリント周回が設定されている。窪木は序盤にアラマンスーリをマークしつつ、競輪選手の特別能力ともいえる持前のスプリント力を活かして、1回目、3回目のスプリント周回を1着で10ポイントを獲得する。序盤から果敢に攻めて、暫定トップへと返り咲くことに成功する。

レース中盤でも窪木の勢いは止まらず、他を圧倒するスピードでスプリント周回でポイントを量産していく。

終盤に入ると、トップ争いをしてる選手たちと1周追い抜き(ラップ:更に20ポイント加算)を成功させる。残り15周を切ると、上位争いに決着をつけるかのような形で窪木がライバルたちを置き去りにしてアタック。

底なしの体力を見せる窪木が加速していくと、残り2周で集団を追いついて更に20ポイントを加算。出場選手全体で唯一の選手となる2回のラップを成功させて、事実上の優勝を決めた。

レースが終わると、窪木の合計ポイントは「178」。序盤に返り咲いた首位の位置を譲ることなく、力を見せての優勝を果たした。2位はリャン・カーユー(香港:143ポイント)、3位はアフメド・アラマンスーリ(UAE:131ポイント)。

順位 選手名 チーム ポイント
1位 窪木一茂 日本 178
2位 梁嘉儒 リャン・カーユー LEUNG Ka Yu 香港 143
3位 アフメド・アラマンスーリ ALMANSOORI Ahmed アラブ首長国連邦 131

最終結果PDF

6月にはアジア選手権で橋本英也が優勝、8月は世界選手権で今村駿介が銅メダル、そして今回は窪木一茂が金メダルを獲得。

誰が出ても勝負ができる日本チーム。その中でもリーダー的存在の窪木の優勝は、これから更にチームに勢いをもらたすだろう。

選手コメント

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