イギリス自転車競技連盟(British Cycling)が2023年7月27日、パリ2024オリンピックに向けた新型バイクを公式リリースにて発表した。
British Cycling News(2023年7月27日)
『2023世界選手権トラック』直前の電撃発表
British Cyclingは以前より、パリ2024オリンピックに向けた新型バイクの開発について公表していたが、実際のバイクの画像や動画が公表されることはなかった。
そして2023年7月27日、ついにバイクの画像が公にお披露目。自国開催となる『2023 UCI自転車競技世界選手権』開幕1週間前の発表となった。
Lotus × Hope × Renishaw × British Cycling
今回新たに発表されたバイクは、いわば”2代目”。
British Cyclingは東京2020オリンピックに出場する際も、新型バイクを発表し注目を集めていた。その”初代”の開発には主に以下の3社が携わっており、今回の2代目も同3社とBritish Cyclingの共同開発。すべてイギリス企業だ。
『Lotus Engineering』,『 Hope Technology』,『 Renishaw』
主に自動車に関係する技術やコンサルタントサービスを提供しているLotus Engineering社。”最も特徴的”と言えるフォーク*とハンドルバーを新たにデザインし製造。
※フォーク:フレームから前輪に伸びている部分
ハンドルバー、特にドロップハンドルにおいて大きな変更が確認できる。前方からバイクを眺めると、水平ではなくM字のように外側から中心へ角度が下がっているような形状をしている。
イギリスの自転車コンポーネントブランドであるHope Technology社はヘッドパーツ*とシートステー*を新たにデザイン。こちらも一見大きな変更は見られないものの、フォーク同様に非常に特徴的なフォルム。
※ヘッドパーツ:フォーク・フレーム・ハンドルを繋ぎ合わせる部分
※シートステー:フレームから後輪に伸びている部分
最も初代との違いを確認できたのが、シートポスト。フレームからサドルに伸びているパイプ部分だ。
初代ではほぼ直線のシートポストが使用されていたが、最新の2代目では、波打つような形状を確認できる。しかもバイクを正面から見ると、波打つシートポストは2本に枝分かれしており、真ん中が空洞になっている奇抜なデザイン。ただし今回のリリースでは、このシートポストに関して触れられていない。
以上の2社が新型バイクのデザイン・製造を手がけた傍ら、Renishaw社は、その新デザインをテストする環境や技術を提供。
精密測定とヘルスケア技術を専門とする工学・化学技術企業であることを活かし、風洞実験施設のデザインなどをサポートした。
新型パーツは「64」品目
British CyclingがUCIへ認証申請を提出するのは、「64」に及ぶ品目の数々。新型バイクに加え、スキンスーツなど様々な新型機材をこの世界選手権でテストする予定だ。
イギリスオリンピックチームといえば新型機材。過去のオリンピックでも様々な機材の開発・導入を試み、メダル獲得に繋げてきた。今回もパリ2024オリンピックに向け、『2023世界選手権トラック』を走るイギリスチームに要注目だ。