『2023アジア選手権トラック』マレーシア・ニライ大会。大会最終日の6月19日、最終種目として行われた男子オムニアムで橋本英也が劣勢からの大逆転勝利を遂げ、アジア王者として世界選手権出場の切符を手にした。レース詳報をお届けする。
男子オムニアム
男子オムニアムに出場したのは15人。日本からは今大会既にチームパシュート、エリミネーションで優勝している橋本英也が出場した。
第1種目のスクラッチは、終盤に2人の逃げを許してしまった橋本。集団の中に位置して、前の2人がトップ2、そして集団でのスプリントを制した橋本が3位となった。
第2種目のテンポレースは橋本がレース中盤、終盤にポイントを得て、この種目で9ポイントを獲得して1位で終えた。
第3種目のエリミネーション。この種目では序盤の除外周回でまさかのエリミネートとなり、順位を11位としてしまった。
最終種目はポイントレース。トップはアリヨム・ザカロフ(カザフスタン:108ポイント)、2位にパク・セングン(韓国:104ポイント)、3位にレン・カ・ユ(香港:96ポイント)、橋本英也はトップから12ポンント差、96ポイントの暫定4位でスタート。
オープニングポイントは橋本へ 逆転へチャージ
レースは100周25km、ポイント周回は10回で争われる。
レースがスタートし、最初のポイント周回で早速動いたのは橋本英也。集団内でスピードを上げて1着。5ポイントを加算する。残り80周回では2着、残り70周回では1着と更にポイントを加算していくが、暫定トップのザカロフも橋本をマークしてポイントを稼いでいく。
残り70周を切ってザカロフが116ポイント、橋本が109ポイント、パク・セングンが106ポイントとなり、橋本が暫定ながらも2位となり順位を上げていく。
レース中盤は、トップ争いに動きはなく、アタックが散発されては吸収される展開。橋本はザカロフのマークを受けると同時に逃げを捕まえるなど、勝利のために動いていくがポイントを加算することができない。
残り30周となるポイント周回で終盤に向けて橋本がようやく1着、5ポイントを得ると、合計を114ポイントとして、ザカロフとのポイント差は”4”。逆転優勝へ兆しが見えてくる形となった。
しかし残り20周のポイント周回では橋本はポイントを獲得できず。幸いにもザカロフもポイントを得ることが出来なかったため、ポイント差は変わらなかったが、韓国のパクが2着3ポイントを得て、合計109ポイントと橋本に迫ってくる。
最後のアタックを成功させ、大逆転勝利!
残り15周を切り、集団が緩んだタイミングで橋本が単独でアタックし、見事に集団から抜け出すことに成功する。
残りの周回数を考えると、逆転への最後のアタックとなった走りで、残り10周のポイント周回を1着、そして残り5周ほどで、メイン集団に追いつき20ポイントを加算。遂にカザフスタンのザカロフを逆転することに成功した。
橋本が20ポイントを経て合計を139ポイントとし、このアタックでレースの勝敗が決定。橋本がレース開始前4位からトップの座へと、大逆転での優勝を果たした。
2位はアリヨム・ザカロフ(カザフスタン)、3位はパク・セングン(韓国)の最終結果となった。