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男子1kmTT

苦痛を味わうこの種目には22人が出場。現役のナショナルチームメンバーは出場せず、新山響平(チームブリヂストンサイクリング)を筆頭に実業団チームの選手たち、及び大学生のエントリーとなった。

一走ごとに苦悶の表情でバンクを降りていく選手たち。

相手のタイムはもちろんのこと、自分の敵は呼吸が難しくなるほどの無酸素運動に加え、脚に襲ってくる乳酸との戦いでもある。

場内が沸きあがったのは終盤に出走した中石湊のタイム。2022ジュニア世界選手権3位の実力を持つ中石のタイムは1分1秒307。4人を残して暫定トップとなる。

次いで出走したのは伊藤京介(日本大学)。伊藤のタイムは1分02秒863と中石には届かず暫定2位となった。

そして苦しむ姿……

次に走った村田祐樹は1分02秒766で暫定3位。

しかし、ラストから2番目となった市田龍生都(中央大学)が走るとタイムは1分01秒040。中石の記録を塗り替えて最終走者、競輪でS級S班の新山響平の走りを待つ。

市田が待つ中、最終走者として走った新山のタイムは1分02秒454。

この種目を市田が制し、自身初の1kmタイムトライアル日本チャンピオンの称号を手にした。

順位 選手名 チーム タイム
1位 市田龍生都 中央大学 1:01.040
2位 中石湊 北海道自転車競技連盟 1:01.307
3位 新山響平 TEAM BRIDGESTONE Cycling 1:02.454

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優勝:市田龍生都選手インタビュー

チャンピオンジャージに袖を通して、感慨深いです。自分の記録更新と59秒台を狙っていたので、優勝した実感のない中、嬉しいという気持ちがだんだん来ています。

今年で大学生活は最後。中央大学として活躍できる最後の年として、勝負の気持ちできました。全日本チャンピオンなので、大学内では1kmTTで負けないよう頑張ります。直近の目標はインカレでの総合優勝です。また卒業後は競輪選手養成所に入るつもりです。

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