大会2日目となった『2023全日本選手権トラック』。男子スプリントで太田海也が優勝し、勝利のドラミングが発動。太田は自身初の個人・日本タイトルを獲得した。
『2023全日本選手権トラック』の大会2日目、5月13日に短距離種目のスプリントが実施された。
スプリントのルール
予選はフライングスタート(助走つきスタート)で行う200mのタイムトライアル。勝ち上がった選手たちは1対1・先着順のタイマン勝負となる本戦へと駒を進める。
予選
予選の上位5人は以下の通り。
選手名 | チーム | タイム | |
1位 | 太田海也 | Team Rakuten K Dreams | 9.617 ※大会新 |
2位 | 小原佑太 | Team Rakuten K Dreams | 9.758 |
3位 | 中野慎詞 | Team Rakuten K Dreams | 9.841 |
4位 | 中石湊 | 北海道自転車競技連盟 | 9.947 |
5位 | 山﨑賢人 | Team Rakuten K Dreams | 9.954 |
準決勝まで勝ち上がったのはチーム楽天Kドリームスの4人(山﨑賢人、太田海也、中野慎詞、寺崎浩平)。準決勝のカードは太田vs山﨑、寺崎vs中野となった。
【太田vs山﨑】
1本目を太田が得て迎えた2本目。残り1周半で太田が後ろから仕掛けていくと、山﨑が内側でしっかりとスピードを合わせていく。残り1周に入るところでは、仕切り直した太田がバンクを駆け上がり、傾斜を利用して再び仕掛けていく。逃げる山﨑に最終コーナーで並びかけた太田は最終ストレートで前に出て先着。決勝進出を決めた。
【寺崎vs中野】
1本目を得たのは中野。2本目は前に中野、後ろに寺崎となったレース。両者がスタンディングをするなど、ゆっくりと半周が過ぎていく。
両者の位置が変わらないままスピードが徐々に上がっていくと、1周を過ぎたところで寺崎が内側から中野に並び、若干前に出てプレッシャーをかけていく。
バンクの上部でスピードを上げながら進む選手たちだが、ホームストレートに入る前に中野が進路を内側に切り替えると、寺崎もすかさず前をふさぐように位置を内側へと取る。
中野が寺崎を避けるような形でブルーバンド(トラック上の傾斜が無い部分)に入るとスピードが落ちてしまい、勝負あり。
先着したのは寺崎となったが、審議の結果、中野の進路を妨害したとして降格。中野が決勝へと進むことになった。
決勝
太田と中野の1本目。前に太田、後ろに中野で始まったレースは、両者が2車身ほど離れて進む。中野が後ろでスピードを上げると、太田も同じように踏み込んでいき、距離感が縮まらないまま最終周回へ。バンクの傾斜を利用して先行体制に入った太田がフル加速すると、中野が並びかけることが出来ず。太田が1本目を得る形となった。
2本目。中野が前、太田が後ろでレースが始まると、中野が前でペースを上げていく。大きく後ろに離れていた太田だが、残り1周半で中野がバンクの上部で加速していく際に、内側を攻めて一気に太田が加速していく。
残り1周でスプリント体制に入った太田を、中野が追うが、残り半周で勝負を諦めてしまった。結果として先着は太田。太田が中野をストレートで下し、自身初の個人種目で日本タイトルを獲得した。2位は中野慎詞。
そして3位は3本目までもつれこんだメダル決定戦を制した寺崎浩平となった。