4月20日からカナダ・ミルトンで開催される『2023ネーションズカップ第3戦』。年に3戦が実施され、今大会が2023年シーズンの最終戦。「2024パリオリンピック」への出場をかけた重要な大会でもある。

この記事ではUCI公式サイトより公開されたエントリーリストから、「中長距離種目」の注目選手たちをピックアップし、第1戦・第2戦の結果も交えながらご紹介していく。

エントリーリスト(2023年3月30日公開)
※リザーブ選手を含む
※誰がどの種目に出場するかは、大会直前に公開予定

UCI公式サイト「2023 TISSOT UCI TRACK NATIONS CUP」

中長距離実施種目

チームパシュート・エリミネーション・オムニアム・マディソン

※エリミネーションを除く3種目はオリンピック種目

『2023ネーションズカップ第1戦』のメダリストはコチラ
『2023ネーションズカップ第2戦』のメダリストはコチラ

男子中長距離

「2023ネーションズカップ」の第1・第2戦にて表彰台を獲得していたニュージーランド、デンマーク、ドイツの男子中長距離チームが出場を見送っている第3戦。しかしエントリーリストには依然多くの強豪選手が名を連ね、第1・第2戦に出場しなかったスター選手も多数参戦予定となっている。

日本

日本からは第1戦のエリミネーションで優勝した橋本英也ほか、窪木一茂、今村駿介、兒島直樹の4選手がエントリー。

ここまでの成績を振り返ると、今村が出場して2大会とも8位となったオムニアムは、オリンピック出場権獲得の安全圏に位置している。

課題となるのはチームパシュートとマディソン。両種目とも出場枠獲得圏内ではあるが、ギリギリのラインだ。

大陸選手権を控えており、2023年内にオリンピックポイントに伸ばす余地が残る日本チームだが、『ネーションズカップ第3戦』でもポイントを積み重ねたいところ。

2023年のネーションズカップでは、全3戦のうち成績の良い2つのポイントが加算される。第1・第2戦ともに8位でフィニッシュしたチームパシュートでオリンピックポイントを積み上げるには、7位が最低目標となる。

TEAM BRIDGESTONE Cycling」に所属しトラック・ロードの2競技で活躍する日本男子中長距離チーム。

第2戦後は国内のロードレースに出場し、今村・窪木が表彰台に登る活躍を見せている。競技は違えど実戦でチームワークを強化できていることは、大きな強みになりそうだ。

参照:TEAM BRIDGESTONE Cycling(チームブリヂストンサイクリング)

『2023ネーションズカップ第3戦(カナダ・ミルトン)』出場選手発表

強豪選手が複数エントリーしている国

イタリア

エリア・ビビアーニ

イタリアからはエリア・ビビアーニらがエントリー。

エリア・ビビアーニはエリミネーションにて2年連続世界チャンピオンに輝き、ロードでも世界トップレベルで活躍している選手。オリンピックでは主にオムニアムに出場し、2012年ロンドン大会で6位、2016年リオ大会で金メダル、2021年東京大会で銅メダルという成績を残している。

2023年はネーションズカップ第2戦に出場し、オムニアムにて銀メダルを獲得済み。自身4度目の出場を目指すパリオリンピックに向け、どんな走りを見せてくれるのか要注目だ。

フランチェスコ・ラモーン

そのほか東京オリンピック・チームパシュート優勝に貢献したフランチェスコ・ラモーンなどがエントリーしている。

イギリス

(左から)イーサン・バーノン、ダニエル・ビッガム, 、オリバー・ウッド、イーサン・ハイター

イギリスからは『2022世界選手権トラック』のチームパシュート優勝メンバーのダニエル・ビッガムとオリバー・ウッド、そして東京オリンピック・マディソンにて銀メダルを獲得したマシュー・ウォールズらがエントリー。

(左)マシュー・ウォールズ(右)イーサン・ハイター

2022年のネーションズカップでチームパシュートのメダル獲得に貢献したチャーリー・タンフィールドも加わり、複数種目での表彰台獲得が期待される。

新型バイク開発に向けた動きについても注目が集まるイギリストラックチーム。

パリオリンピックで新型モデルを使用するためには、『ネーションズカップ第3戦』もしくは『2023世界選手権トラック』にて試用することが義務付けられている。今大会で新型バイクのお披露目となるかもしれない。ぜひご注目いただきたい。

パリ2024まで契約延長 新型「LOTUSバイク」開発を目指すイギリスチーム

オランダ

(左)ヨエリ・ハビック(右)ヤン ウィレム・ファンシップ

第1・第2戦のマディソンにて2大会連続銀メダルを獲得しているオランダ。

両大会でマディソンの銀メダルを獲得したヤン ウィレム・ファンシップ、ファンシップと第1戦でペアを組んだヨエリ・ハビック、第2戦でペアを組んだヴィンセント・ホペザックらがエントリー。

マティエス・ブフリ

また、2021年にトラック競技からロードへと異色の転向を遂げたマティエス・ブフリも参戦予定。招待を受けた『2022トラックチャンピオンズリーグ』では総合6位にランクインし、2022年12月に開催された『2022オランダ国内選手権トラック』では中長距離にて3冠を達成

トラック中長距離へのシフトを順調に進めるマティエス・ブフリが、”エンデュランスライダー”として初めて出場するネーションズカップでどんな走りを見せてくれるのか要注目だ。

フランス

(優勝・左)トマ・ブダ(右)ベンジャミン・トマ

第2戦・チームパシュートに5人体制で挑み銀メダルを獲得したフランス。そのうち4人が第3戦へ再びエントリーしている。特にトマ・ブダは第2戦のオムニアムでも優勝を飾っている中心選手だ。

(左)ベンジャミン・トマ(右)ドノヴァン・ゴロンダン

『2022世界選手権トラック』マディソン優勝のベンジャミン・トマ&ドノヴァン・ゴロンダンもエントリー。ベンジャミン・トマはオムニアムでも世界選手権2位と、中長距離オリンピック3種目で実績を残している選手が揃った。

その他の強豪選手

ジュールス・ヘスタース(ベルギー)

2023年の主な成績 2022年の主な成績
「ネーションズカップ第1戦」エリミネーション2位 「2022ネーションズカップ第2戦」エリミネーション1位

ディラン・ビビック(カナダ)

2023年の主な成績 2022年の主な成績
「2022世界選手権トラック」スクラッチ1位

セバスチャン・モラ(スペイン)

2023年の主な成績 2022年の主な成績
「ネーションズカップ第1戦」オムニアム3位 「2022ネーションズカップ第1戦」オムニアム2位
「2022UECヨーロッパ選手権トラック」オムニアム3位

コービン・ストロング(ニュージーランド)

2023年の主な成績 2022年の主な成績
「2022世界選手権トラック」エリミネーション2位
「2022コモンウェルスゲームズ」スクラッチ1位

ゲイビン・フーバー(アメリカ)

2023年の主な成績 2022年の主な成績
「2022ネーションズカップ第2戦」エリミネーション3位
「2022ネーションズカップ第2戦」オムニアム2位

クラウディオ・イムホフ(スイス)

2023年の主な成績 2022年の主な成績
2022トラックチャンピオンズリーグ」総合優勝

イボ・オリベイラ(ポルトガル)

2023年の主な成績 2022年の主な成績
「2022世界選手権トラック」個人パシュート3位

ルイ・オリベイラ(ポルトガル)

(左)ルイ・オリベイラ(右)イボ・オリベイラ

2023年の主な成績 2022年の主な成績
「2023UECヨーロッパ選手権トラック」エリミネーション2位

【第3戦・男子中長距離】注目選手まとめ

選手名
日本 橋本英也、窪木一茂、今村駿介、兒島直樹
イタリア エリア・ビビアーニ
フランチェスコ・ラモーン
イギリス ダニエル・ビッガム
チャーリー・タンフィールド
オリバー・ウッド
マシュー・ウォールズ
オランダ ヤン ウィレム・ファンシップ
ヨエリ・ハビック
ヴィンセント・ホペザック
マティエス・ブフリ
フランス トマ・ブダ
ベンジャミン・トマ
ドノヴァン・ゴロンダン
ベルギー ジュールス・ヘスタース
カナダ ディラン・ビビック
スペイン セバスチャン・モラ
ニュージーランド コービン・ストロング
アメリカ ゲイビン・フーバー
スイス クラウディオ・イムホフ
ポルトガル イボ・オリベイラ
ルイ・オリベイラ

ロードのスター選手も参戦「女子中長距離」

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