「トラック競技における革命」をテーマの1つに掲げ、2021年に初開催された『UCIトラックチャンピオンズリーグ』。

世界のトップ選手らを招待し、展開が早くルールが分かりやすい種目を実施するなど、既存のファンだけでなく新たな視聴者層の獲得にも注力していた。

大会公式サイトでは2023年3月28日、3年目となる2023シーズンの開催を発表。この記事ではリリースの内容をお伝えしていく。

『UCI Track Champions League』リリース(2023年3月28日)

例年より早めの実施「10月開幕」

トラックチャンピオンズリーグの主催者である「Warner Bros Discovery Sports」は3月28日、2023年シーズンの開催情報を公開。

2022年大会と同様、2023年大会では男女36選手ずつが「招待」され、全5ラウンドを戦い抜く形式で実施されるが、これまでと異なるのは、過去大会より1ヶ月ほど早い「10月に開幕する」点。

その他2022年大会と同様に4つの異なる開催地にて全5ラウンドが実施されることが発表されたが、各ラウンドの日程や開催地は「近日公開」としている。

なぜ早期開催?

『2023UCIトラックチャンピオンズリーグ』の開幕日が例年より1ヶ月ほど早められたのには、2023年8月に開催される『UCI自転車競技世界選手権』が関係している。

UCI自転車競技世界選手権』とは様々な自転車競技の世界選手権を、同日程・同開催地で合同で開催する大規模イベント。史上初の試みとなる2023年大会では11の自転車競技の世界選手権が、イギリス・グラスゴーにて8月初旬に開催される。

鍵となるのは中長距離選手

トラックの中長距離選手には、ロード種目でも活躍する選手が多くいる。

ロードの主なシーズンは1月から10月に開催される世界選手権まで。トラックチャンピオンズリーグ過去2大会は11月初旬〜12月初旬に開催されていたが、これは例年、各ロードチームがトレーニングキャンプなどを実施する期間と重なっている。

つまりトラックチャンピオンズリーグの期間は、ロード選手からしてみれば「次シーズンへの準備や強化を行う重要な期間」。これまでは招待を受けつつも出場を見送った選手も複数人いた。

しかし2023年は、ロードの世界選手権も8月に開催される”合同世界選手権”で実施される。例年10月に開催されているロード世界選手権の時期にトラックチャンピオンズリーグの日程を充てることで、ロードで活躍するトラック中長距離選手の参加を促す狙いがあるようだ。

2023年大会に出場する全72選手は『2023 UCI自転車競技世界選手権』でのパフォーマンスを踏まえ、10月の開幕前に発表される。なお2022年大会にて各カテゴリーを制した総合優勝者の4選手には、自動的に出場権が与えられる。

初の複数種目を同時開催・2023世界選手権はスコットランド・グラスゴー

「世界屈指のエンデュランスライダーに」

トラックチャンピオンズリーグの大会ディレクターを務めるFlorian Pavia氏は以下のようにコメントしている。

「『2023トラックチャンピオンズリーグ』の早期開催を決定するまでに、様々なことを考慮しました。トラックチャンピオンズリーグは今やUCIの国際レースカレンダーを構成するイベントです。

例年10月に実施されるトラック競技の世界選手権を含め、その他ほぼ全ての世界選手権が8月に合同開催されます。本大会の開催によって、2023年のトラックチャンピオンズリーグは過去2大会と少し異なります。

トラックチャンピオンズリーグの主催者としても、世界屈指の中長距離選手に可能な限り出場してほしかったので、そうした選手が所属するロードチームのトレーニングキャンプなどと、大会日程を被らせたくありませんでした」

トラック競技を広める効果 出場選手コメント

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