男子スプリントでは太田海也がチームスプリント、ケイリンに次ぎ、再び銅メダル獲得を果たした。
準決勝では王者ハリー・ラブレイセン(オランダ)から1本を取るなど、更に経験を積むことが出来たレースをお伝えする。
男子スプリント
『UCIトラックネーションズカップ第2戦』エジプト・カイロ大会は2023年3月14日から17日で開催。17日の最終日には男子スプリントが行われた。
この種目には52人が出場。2019年から2022年と世界選手権4連覇中、絶対王者のハリー・ラブレイセン(オランダ)、第1戦で銀メダルを獲得した太田海也、銅メダルのミカエル・ヤコフレフ(イスラエル)など、パリ2024を目指す強豪が名を連ねた。
日本からは太田に加えて小原佑太(ナショナルチーム)、寺崎浩平(チーム楽天Kドリームス)、山﨑賢人(チーム楽天Kドリームス)が出場した。
勝ち上がりは予選(28人が勝ち上がり)⇒1回戦→2回戦→準々決勝(ここから2本先取で勝ち上がり)→準決勝→決勝/3位決定戦。
予選上位5位+日本人選手結果
1位 | ハリー・ラブレイセン | オランダ | 9秒490 |
2位 | ミカエル・ヤコフレフ | イスラエル | 9秒688 |
3位 | マテウス・ルディク | ポーランド | 9秒791 |
4位 | ヤン・ウェーミン | 中国 | 9秒810 |
5位 | 太田海也 | 日本 | 9秒824 |
15位 | 山﨑賢人 | 日本 | 9秒977 |
16位 | 小原佑太 | 日本 | 9秒979 |
20位 | 寺崎浩平 | 日本 | 10秒028 |
1回戦:山﨑が東京オリンピック銅メダリストと対戦
太田、小原、寺崎が順当に勝ち進んだ1回戦だが、山﨑は東京2020銅メダリストの強敵ジャック・カーリン(イギリス)と対戦。
レースは残り2周を切って、山﨑が前、カーリンが後ろとなる。山﨑がバンクの上部からカーリンと睨み合うが、目を離した隙にカーリンが内側を突いて加速し前へ。出遅れた山﨑は後ろから攻める形となった。
最終周回に入って山﨑が加速していくが、カーリンとの差がなかなか埋まらず、最終ストレートで追い込んだが届かず。カーリンが山﨑を下して2回戦進出を決めた。
2回戦:小原が絶対王者と対戦
太田、寺崎は準々決勝進出を決めた2回戦。小原の対戦相手は王者ハリー・ラブレイセン。
小原は前でバンクを上手く使いながらラブレイセンを離そうとするが、自転車1つほどの間隔でラブレイセンが離れず追っていく展開。
残り1周を前に小原がバンクの傾斜を利用してスピードを上げていくと、ラブレイセンが更にバンクの上部から勢いをつけて小原を捕らえにかかる。
残り半周で小原を捕まえたラブレイセンが先着し、準々決勝へと勝ち上がりを決めた。
準々決勝:日本人同士の対決 太田vs寺崎
準々決勝まで勝ち上がった太田と寺崎を待っていたのは、このステージでの日本人同士の対決。赤いラインの日本チャンピオンジャージの寺崎が前、太田が後ろで1本目が始まる。
途中でスタンディングも混ぜながらゆっくりと1周が経過してからの残り2周。太田がバンク最上部に上がり、後ろから寺崎にプレッシャーをかけていく。
両者のスピードが急に上がり、最終周回に入るホームストレートで寺崎がバンクの上部へ上がった瞬間、太田が内側から一気に前へ。
位置関係が入れ替わった両者は、今度は太田が逃げる展開。加速していく太田を寺崎が追いかけるが、最後まで届かずに、1本目は太田が先取する結果となった。
2本目。寺崎が後ろから攻める形で残り2周。
お互いがバンクの上部に上がり様子を見ていた両者だが、2コーナーで前にいた太田がバンク下部に降りて加速していく。
この際に前との距離が開いてしまった寺崎。最終周回に入って寺崎が巻き返しを図るが、最後まで開いた差を埋めることが出来ずに2着。日本人同士の対決は太田が制して準決勝進出となった。