『UCIトラックネーションズカップ第1戦・ジャカルタ大会』。男子ケイリンが2月25日に行われ、日本からは4人が参戦。落車や降格などで苦しみながらも戦い抜いたレースをお伝えする。日本勢の最高位は中野慎詞の9位となった。優勝は、この種目の世界チャンピオン、ハリー・ラブレイセン(オランダ)。
『UCIトラックネーションズカップ第1戦・ジャカルタ大会』が2023年2月23日から26日で開催中。大会3日目、25日には男子ケイリンの決勝までが行われた。この種目に出場したのは53人。パリ2024オリンピックを目指す各国の選手たちが揃った。
この種目の世界チャンピオン、ハリー・ラブレイセン(オランダ)をはじめとする海外の強豪が名を連ね、日本からも以下の通り4人の選手がエントリーした。
【日本人出場選手】
中野慎詞(ナショナルチーム)※日本チャンピオン
山﨑賢人(チーム楽天Kドリームス)
小原佑太(ナショナルチーム)
寺崎浩平(チーム楽天Kドリームス)※アジアチャンピオン
【1回戦:圧倒的な強さの日本勢】
53人の出走となったレースは全8組。中野が1組、山﨑が2組、小原が3組、寺崎が5組となる。レースは1着のみが準々決勝へ勝ち上がりを決め、負ければ敗者復活戦へと回る。
第1組の中野から日本勢は全レースで1着となる強さを見せて1回戦を突破したと思われたが、中野が危険な走行をしたとして降格。中野のみ敗者復活戦へと回ることになった。
【敗者復活戦】
中野の敗者復活戦は2着までが準々決勝へ文字通り”復活”する。
中野の組には2m近い身長のミカイル・ヤコフレフ(イスラエル)、日本の競輪に短期登録で来日して活躍したジョセフ・トルーマン(イギリス)、常に上位に名が上がるベテランのジャイール・ジョンエンファ(スリナム)など曲者が揃った。
レースは残り2周から中野が後方から仕掛けるが、同時にヤコフレフも仕掛けて、中野とは並走となる。前に出れない中野は残り1周でヤコフレフの後輪につけて、再度仕掛けていく。
再び並走となった2人がワンツーフィニッシュ(中野は2着)を決めて、準々決勝へと”復活”を果たした。
【準々決勝:2着までが準決勝進出 山﨑、小原が快勝】
準々決勝は山﨑、小原が1着となって準決勝進出を決めたが、中野と寺崎には試練が待っていた。
中野は5人1組のレースで最後尾から攻める展開。しかし先頭が早目に先行したため、隊列が伸びきってしまう。最後まであきらめずに前に出る姿勢を見せた中野だが、この組で4着となった。
寺崎は2番手でのスタートとなるが、残り2周を前に仕掛けたヤコフレフ(イスラエル)、ジェフリー・ホーフラント(オランダ)がスピードを上げていく。前から離れて4番手で寺崎が追うが、最後まで先頭に追い付くことは出来ずに、4着でフィニッシュとなった。
終わらない戦い
通常ならばこの時点で敗退となるが、今大会は出走人数が多かったことから準々決勝にも敗者復活戦が設けられたため、中野と寺崎は再び出走することになった。中野にとっては4本目、寺崎にとっては3本目となる。
敗者復活戦を中野は先行し1着で勝ち上がりを決めたが、寺崎は7着となり、準決勝には進めなかった。