11月12日より開幕する『UCIトラックチャンピオンズリーグ』。大会公式サイトにて10月26日、新たなリリースが発表。
その内容は、「2022年大会の1部が『メタバース』上で観戦できる」、というものだった。
メタバース企業とのパートナーシップ
チャンピオンズリーグのメインスポンサーを務めるワーナー・ブラザーズ・ディスカバリー・スポーツ(WBDS)社が、Infinite Reality社とパートナー契約を結び実現した今回の企画。
Infinite Reality社は、ウェブ3技術・メタバースの企業。
ウェブ3とは、メタバースなどの従来とは異なる発想に基づくインターネット関連の技術・サービス・ビジネスモデルの総称。メタバースとは、「IT(情報技術)によって仮想的に構築された世界」のこと。
つまり、チャンピオンズリーグで実施されるレースをバーチャル空間にて、まるでその場にいるかのような感覚で楽しめるようになるかもしれない、ということだ。
ロンドン開催でのフィナーレで実施
メタバース上で楽しめる、観戦体験サービスの展開。この試みが実施されるのは、全5ラウンドが開催される2022年大会のうちの最後の2ラウンド。
12月2日、12月3日にそれぞれイギリス・ロンドンにて開催される第4・5ラウンドだ。2022年のフィナーレにて、今回の新サービスのお披露目となる。
主要スポーツイベントでは初の試み
「国際的なスポーツイベントをメタバース上で観戦・楽しめるようにする」……本リリースでは、これがWBDS社による「初の試み」であることが強調されている。
WBDS社はInfinite Reality社とともに、チャンピオンズリーグで本企画を実施していき、本大会と自転車競技のさらなる発展を目指していくとのこと。従ってこのパートナーシップ契約も、数年間に渡るものとなっている。
今回のメタバース上での観戦体験を、どの国・地域で利用できるかはまだ明かされていない。
ただし参考までに、チャンピオンズリーグのメインスポンサーである「Eurosport」を視聴できる国は、大会公式サイトによると75カ国にも及ぶ。それほど多くの国々からメタバース上にファンが集まり、レース観戦の楽しみや興奮を共有できるようになれば、トラック競技の新たな魅力を発見できるかもしれない。
より多くのファンを獲得するために
ケイリンやエリミネーションなど、展開や勝敗がわかりやすく親しみやすいレースが実施されるチャンピオンズリーグ。
その他にも、会場を真っ暗にして、選手だけにスポットライトを当てたり、トラック(走路)に映像を映し出したり、BGMや音楽を大音量で流したりなど演出にも力を入れている。
そんな新しい”見せ方”で、トラック競技ファンを増やそうとしている本大会が、新技術の活用でさらに進化していく。
2年目となる2022年大会も要注目だ。