東京2020大会から正式種目として採用された女子マディソン。『2022トラック世界選手権』でのメダルを目指す日本チームは梶原悠未と内野艶和のペアで参戦したが14位という結果となった。レース終了後に”違う意味”での大逆転でベルギーが優勝したレースをお伝えする。

2022年10月15日、フランスで行われている『2022トラック世界選手権』、大会4日目には女子マディソンが行われた。世界から18か国、36人が出場。

2019~2021まで3連覇を遂げたオランダコンビはキルステン・ウィルトが引退、そして相方のエイミー・ピータースは練習中の落車によって競技から離れているため、絶対的なチャンピオンチーム不在の中、空位を得るのはどのチームなのかに注目が集まった。日本からは梶原悠未と内野艶和ペアがこのレースに挑む。

マディソンのルール

マディソンは2人でチームを組んでポイントを獲得していくポイントレース(ポイントレースのルールはこちら)。

見どころはチームの選手同士が交代しながらレースを進めていくところ。交代は、相手の手か体に触れればOK。ハイスピードな展開の中で、繋いだ手を支点に、弾みをつけるように交代しながら、スピードを上げていく。

女子マディソンでは120周30km、計12回のポイント周回で競われる。

前に出られない日本

トラック上では各国のチームが交代してはダッシュして、この種目独特の高スピードでレースは進んでいく。

着実にポイントを加算していく地元フランスチームを筆頭に、強豪国のオーストラリア、そしてイギリスの3つ巴となる展開。日本は前に出ることが出来ずに集団後方で走り、レース終盤を迎える前にDNF(途中棄権)となってしまった。

フランスがポイントを加算していき勝利への過程を経る中、終盤にペースアップしたのはベルギーチーム(ロッテ・コペツキー&シャリ・ボスイット)。1着5ポイントを2回獲得し集団を追い抜き、一気に30ポイントを獲得する。

レースは最後のポイント周回を残して

ベルギー:30ポイント
フランス:25ポイント
オーストラリア:19ポイント
デンマーク:13ポイント

となって最後のスプリント周回へ。

集団から飛び出したのはデンマークで1着10ポイントを獲得。そしてフランス、オランダ、ベルギーの順でフィニッシュ。

最終結果はベルギーが32ポイント、フランスが31ポイントとベルギーが逃げ切る形となったが、場内やTVモニター上では一旦フランスが勝ったことになっており、あたかも逆転優勝したかのように興奮の坩堝と化していた。

しかし、再度計算が成されると、ベルギーが優勝したことが選手側、観客側にも伝わり、場内の雰囲気が一変。確定情報が伝えられ、改めてベルギーに祝福の拍手が送られる形となった。

優勝・ベルギー:32ポイント
2位・フランス:31ポイント
3位・デンマーク:23ポイント
14位・日本:-40ポイント(DNF)

最終結果PDF

選手インタビュー

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