ショートコント「スペインの靴屋とアフロの日本人」
Q:第1戦では中長距離種目で、同じ競輪選手の窪木一茂選手が銀メダルを獲りました。刺激になりますか?
はい!もうしっかりレースを見ましたもん。
窪木さんとはチャンピオンズリーグの転戦の間ずっと一緒にいて、生活面でも一緒でした。自分の近い人がしっかり結果を出しているのは嬉しかったし、刺激になりました。
Q:一緒に海外生活をした山﨑選手から見る、窪木選手の良いところは?
窪木さんは海外経験があるので、イタリア語がしゃべれます。イタリア語とスペイン語ってちょっと似ているので、言葉の面で助けられた部分があります(※チャンピオンズリーグ中の拠点はスペインのマヨルカ島だった)。
それからちょっと困ってるな、と思うと先回りして助けてくれたり、かと思えば放置プレイされたり……優しいんですけど、厳しいんですよね(笑)
競技用の靴が壊れて、靴屋さんに修理に行く必要があったんです。行ってみたら人気店だったので人が並んでいて……そしたら窪木さんが「僕あっちの方見てきます〜!」っていなくなっちゃって。「喋れないのにどうしよう」と思ったけど、もう喋るしかないし、靴見せて「ここが……」とか指差しながら、覚えたてのスペイン語を並べてどうにか伝えて……
「窪木さん、全然帰ってこない、どうしよう」って思ったら、終わった頃にすぐそこでコーヒー片手に「終わりました?」って立っていました(笑)
厳しいな、この人は……と思いましたけど、こうして成長につながるんだろうなと思いました。そういうことがありましたね。
総じて人としての器が大きい人だと感じます。
Q:その時の「覚えたてのスペイン語」、今披露していただくことできます?
いやあ、全然覚えてないですね。もう「Hola!(こんにちは)」くらいしか。
靴屋さんは本当に「職人」って感じの人で、笑顔もなく、始終「できるから、できるから!」って感じでした。ああそうだ、「por favor(お願いします)」は言いましたね。
最初「2日でできる」と言われたけど「2日じゃだめ、使うから。どうにかもっと早くお願いします」って言って、でも相手が「No」って。
それで僕:「por favor」
靴屋さん「No」
僕「por favor」
靴屋さん「No!」
って何度もやっていましたね(笑)
Q:もうコントみたいですね。
本当にそれしか喋れなかったので。ずっとやっていました。
Q:職人さんは怒らなかったですか?アフロのアジア人が目の前で「por favor」をずっと言い続けているわけですし……
それは全然大丈夫でした(笑)。ただ「とにかく無理だから、2日後に来い」と譲りませんでした。怒ってはいませんでしたが「忙しいんだ俺は」という感じで、結局押し負けました。するとスーッと奥に戻っちゃう……職人でしたね。
Q:それって結局レースに間に合わなかったということでしょうか?
いえ、レースの前の練習で使おうとしていたんです。練習もどうにかやりました。
倒置法の窪木さん
Q:窪木選手は山﨑選手に敬語を使うのですね?
なぜか……使いますね。「山﨑さん」って呼ばれています。僕は大学の後輩にあたるのに……なんででしょう……
窪木さんってちょっとおかしいんですよ(笑)
例えばみんなで話してる時に、一緒に同じジュースを飲みながら「これ、美味しいですよね窪木さん?」と言ったら「美味しいです。これは」と返してくるんです。
なんですかね、あの喋り方。倒置法……?これに関するツッコミはみんながやっていました(笑)
Q:本人はふざけてやってるのでしょうか?
ふざけてる…ふざけてない……謎ですね。
Q:では今度企画でやってみましょうか。
「倒置法の窪木さん」ですね。
Q:「山﨑賢人が行く!倒置法の窪木さん」で。
(笑)
Q:では最後にまとめということで、第2戦の意気込みをお願いします。
ネーションズカップ第2戦カナダに行ってきます。しっかり結果を出します。ぜひ応援してください。よろしくお願いします!