例年であれば夏の風物詩として7月末頃から開催される、世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス(以下ツール)」。新型コロナウイルスの影響で1ヶ月遅れの8月29日からの開幕となった。

大会1週目となる、第1〜9ステージまでの様子をまとめてお届けする。

8月29日開幕 南東フランスで開幕の世界最大級のロードレース「ツール・ド・フランス2020」

開幕は南仏ニースから

例年はフランス国外からスタートし、数ステージを経てからフランス国内へと移動するが、今年は南仏のリゾート地「ニース」からスタート。

第1ステージではアレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ)が勝利を挙げ、個人総合トップの証である黄色いジャージ、マイヨ・ジョーヌを獲得。

迎えた第2ステージは山岳コース。ゴールまで残り13km地点から仕掛けた有力選手、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がそのまま逃げ切り優勝を果たし、個人総合争いのトップへと躍り出た。

開幕直後から落車が多発し、既にロット・スーダルのジョン・デゲンコルブやフィリップ・ジルベールなど、ビッグネーム達がレースを去っている。

小さなミスが命取りに

昨年と同様、大会序盤から個人総合トップへと躍り出たアラフィリップは第3、4ステージと順調に個人総合首位を守ってきた。しかし、第5ステージの補給禁止区間で、沿道のチームスタッフから補給を受け取ってしまう。

※…ゴールまで残り20km以下からは補給禁止だが、アラフィリップは残り18kmで補給を受けた。

これによってアラフィリップは20秒のペナルティを受け、16位まで順位を下げる結果となった。

後にアラフィリップはこのペナルティも影響したのか、第6ステージ以降も順位を上げる事が出来ずに個人総合38位、トップから41分17秒差で大会第1週目を終える事となる。

争いは徐々に山岳へ

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