ツアー・ダウンアンダーを皮切りに、2020年のロードレースシーズンが開幕。東京オリンピックロードレースの日本代表争いに拍車がかかり始める。

日本代表枠をかけた選考期間は2019年1月1日〜2020年5月31日まで。海外勢と国内勢でのポイント争いに注目していきたい。(記事作成時 1月28日現在)

オリンピック日本代表選手の選考方法

男子ロードレースのオリンピック出場選手は、JCF(日本自転車競技連盟)が規定した選出ルールにて決定される。

選考対象のレースにはAからHまでのランクがつけられており、レースで獲得したUCIポイントにランクごとの係数がかけられることで、日本代表選手を決める「JCFオリンピックポイント」が算出される。選考期間の2019年1月1日〜2020年5月31日の間に獲得したJCFオリンピックポイントの結果で、男子ロードレースの日本代表選手が決まる。なお、この選考基準は男子のみに適応される。

日本代表候補選手 ポイント比較表

順位 名前 ポイント数
1 新城幸也(チーム バーレーン・マクラーレン) 311
2 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 256.8
3 石上優大(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) 161.5
4 中根英登(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) 115
5 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム) 108
6 石橋学(チームブリヂストンサイクリング) 96
7 岡篤志(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) 84
8 別府史之(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス) 60
9 西村大輝(宇都宮ブリッツェン) 59.5
10 入部正太朗(NTTプロサイクリング) 59

現在ランキング首位に立っている新城幸也(チーム・バーレーンマクラーレン)は、1月に出場したUCIワールドツアーレース「ツアー・ダウンアンダー」を個人総合成績29位で終え、大量の120JCFポイントを獲得。これにより増田成幸(宇都宮ブリッツェン)を逆転。

新城は怪我の影響で昨シーズンのレース出場数は例年よりも少なかったものの、本格的にシーズンインした今後はワールドツアーや欧州のUCIレースを転戦。更にポイントを稼いでいくだろう。

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また、1月末時点のランキングで増田の後につける石上優大と中根英登は共にUCIプロチームの「NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス」に所属。海外チームに所属する2人は、宇都宮ブリッツェンに所属する増田よりもヨーロッパツアーに出場するチャンスが多く、アジアツアーのレースと比べてポイントにかかる係数も大きい。ベテランの別府史之(NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス)や今季からワールドツアーチームへと加入した入部正太朗(NTT・プロサイクリング)など、海外勢の活躍にも注目したい。

国内のレースで最もポイント係数が高いのは、ツアー・オブ・ジャパンの個人総合成績だ。油断できる状況ではないが、増田は国内のビッグレースやアジアのステージレースなどで総合狙いのエースとしてポイントを稼げる実力を持つ国内トップのベテランだ。

増田成幸(宇都宮ブリッツェン)

そのほかの国内勢にとっては、2月中旬の「ツール・ド・ランカウェイ(アジア2.Pro)」や、3月の「ツール・ド・台湾(アジア2.1)」でポイントを稼ぐ事がまずは重要となるだろう。