5月30日から行われているジュニアネーションズカップ、Tour du Pays de Vaud 2019。第2ステージは午前はロードレース、午後はタイムトライアルという2部レースの構成で行われた。

アクシデントの多い初日/ジュニアネイションズカップ Tour du Pays de Vaud 2019 stage1

Tour du Pays de Vaud 2019 第2ステージ

stage2-1 ロードレース 82.7km

1 BRENNER Marco(ドイツ)2時間3分43秒
3 STOKKE Vegard(ノルウェー)16秒差
3 MARTINELLI Alessio(イタリア)同タイム
31 北宅柊麻 2分31秒差
54 山田拓海 4分24秒差
63 津田悠義 8分38秒差
93 寺田吉騎 23分37秒差
リタイア 渡邊諒馬

(出典:https://www.tpv.ch/resultats/2019/TPV2019_Et21.pdf

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Stage2は午前ロードレース、午後タイムトライアルの2部レースとして行なわれた。ロードレースはLAUSANNEの北の街CUGYをスタートし、BIEREのスイス軍施設にゴールする82.7km。スタートから20kmの平坦区間のあとは10kmの登りと6kmの登りが続く。

一度15kmほどの平坦区間があるが、再び7kmの登りをこなし、ラスト20kmは道幅の狭い厳しい下り区間を抜けてゴールを迎える。

ロードレースはスタートしてすぐに逃げが決まり、寺田がここに入る。数名の追走が入り、イタリア、ベルギー、カザフスタン、スイス、イタリア、フランスらと8名の先頭グループを形成して50秒までタイム差を広げる。登り口までにオランダ、ノルウェーが集団をコントロールし、集団は一つとなり、10kmの登り区間に入る。

集団から多くの選手がこぼれ、ここで渡邉、寺田が遅れる。集団が分断し40名ほどの集団となる中で、山田は先頭でノルウェー2名と一緒に集団を引っ張る。津田も10番手ほどの良い位置で登る。北宅は登り区間での落車に巻き込まれるが、山頂までには隊列を使い復帰する。

下りで多くの選手の集団復帰の影響でペースアップ

長い下り区間で集団復帰する選手が多く、そのあとの平坦区間はアタック合戦となる。ここで山田、北宅が動き、スプリントポイントに絡む。60km地点からの登り区間でベルギーが抜け出し、その影響で集団はペースアップし、個人総合リーダーのBRENNER Marcoのアタックで集団は崩壊する。

登りで数名が追いついたが、テクニカルな下り区間でBRENNER Marcoが再びアタックし独走を開始するとばらばらとなった後続に追いつく力はなく、そのまま独走でこのステージも制した。日本チームは最後の登りで津田が遅れ、その後山田、北宅と遅れる。厳しい下り区間で北宅が第3集団まで戻るにとどまった。

海外レース経験の少なさを実感

このステージでも海外レース経験の少なさの影響が出るレースとなった。

山田は10kmの1級山岳とその後の6kmの2級山岳をノルウェーと先頭を牽き続け、リーダーチームに任せて最後の登り勝負にかけずに平坦のアタック合戦でも自ら動いて最後の登りでは力尽きてしまった。ただこのレベルの大会の1級山岳で集団を牽き続ける力をみせた。

津田は最後の登り区間でフラフラとなってしまったが、1級山岳、その後の2級山岳と山田とともに集団前方をキープし続けた。北宅も最後の登りで遅れたものの、テクニカルな狭い下り区間でも非凡な走りをみせた。どの選手も脚を使う場所と休む場所をうまく選択出来れば、より結果に結びつく走りが出来ると期待できる走りであった。

stage 2-2 タイムトライアル 14.6km

1 SIMONES Quinn(アメリカ) 17分49秒
2 BRENNER Marco(ドイツ)5秒差
3 BOVEN Lars(オランダ)同タイム
32 山田拓海 1分30秒差
40 北宅柊麻 1分43秒差
63 津田悠義 2分24秒差
76 寺田吉騎 2分43秒差

個人総合時間 結果

1 BRENNER Marco(ドイツ)5時間23分24秒
2 BOVEN Lars(オランダ)36秒差
3 Levy William Blume(デンマーク)1分3秒差
32 北宅柊麻 5分6秒差
45 山田拓海 6分40秒差
55 津田悠義 12分20秒差
94 寺田吉騎 42分49秒差

(出典:https://www.tpv.ch/resultats/2019/TPV2019_Et22.pdf

ジュニアネイションズカップ

個人タイムトライアル

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午後のタイムトライアルはテクニカル区間の少ないアップダウンコース。力を求められる争いとなった。

春のジュニアネーションズカップGent-Wevelgemで優勝し、先週のオランダのレースでも圧勝して今大会も優勝候補の1人のアメリカのSIMONES Quinnが個人総合リーダーのBRENNER Marcoに5秒差をつけて優勝した。

山田の1分30秒遅れの32位が日本チームの最高順位であった。

文:JCF強化コーチ 柿木孝之

(TEXT:JCF