5月24日から2日間行なわれるエリート女子のステージレース、Tour of Trat 。Stage2はTratの中心から北に向かいアップダウンを超えてTratに戻ってくる92.6kmで争われた。

気温も高く選手の体力を削るも、梶原2着/Tour of Trat stage1

TOUR OF TRAT

5月24日〜25日 2日間 全2ステージ

日本ナショナルチームメンバー:岩元杏奈、古山稀絵、梶原悠未、上野みなみ、下山美寿々

第2ステージ結果

1 梶原悠未 2時間24分32秒
2 YU Seonha(韓国) 同タイム
3 KIM Hyunji(韓国) 同タイム
10上野みなみ2秒差
29下山美寿々10秒差
31岩元杏奈14秒差
32古山稀絵同タイム

個人総合成績

1 梶原悠未 4時間21分59秒
2 JUTATIP Maneephan(タイ) 3秒差
3 KIM Hyunji(韓国) 13秒差
10 上野みなみ 25秒差
22 下山美寿々 33秒差
29 古山稀絵 37秒差
42 岩元杏奈 2分35秒差

小雨の中、昨日以上の高湿度の中でレーススタート

朝から小雨が降り、昨日のような強い日差しがないかわりに昨日以上の高い湿度の中でレースはスタートした。

ロシアの選手が逃げるが、5チーム参加のタイが集団をコントロールして進む。一時雨が激しく降るが集団は崩れない。

1回目のスプリントポイントで梶原は3位となり、個人総合リーダーのJUTATIP Maneephanが1位通過したため、個人総合争いでは4秒差と広がる。このスプリントポイントのあとはコーナーがあり道が狭く、またその後はアップダウンが続く攻撃ポイントであり、スプリント争いで抜け出した10名ほどのグループからロシアの攻撃から上野と梶原、そして韓国、タイの5名で抜け出す。

梶原の総合優勝のチャンスを広げるべく

次のスプリントポイントまで15kmほどで、ここでボーナスタイムを獲得できれば梶原の総合優勝のチャンスが広がるだけではなく、上野を個人総合上位に入れることが出来るため日本チームはロシア、韓国と回し最大で40秒ほどのタイム差を稼ぐ。

しかし人数に勝るタイチームが集団をコントロールし続ける。逃げグループの韓国選手は個人総合上位選手ではなく、途中から韓国もメイン集団の牽引に入り、スプリントポイント手前で吸収されてしまう。

そのまま集団スプリントになるが、テクニカルガイドとは全く異なるスプリントポイントの場所であったため、梶原は4位になりボーナスタイムが獲得できない。ここでもJUTATIP Maneephanが1位通過でタイム差が7秒に広がってしまう。

ゴール前の長い距離のスプリント、梶原が力勝負を挑む

その後ロシア、韓国のアタックに古山が対応するがこれも決まらず、そこからラスト20kmはタイのコントロールで進む。雨で滑りやすい路面の中、ラスト3kmは韓国が列車を組み集団コントロールする。

この日は昨日と同じゴール地点ではあるものの、最終コーナーがゴールの600m手前で、その前にも水たまりの大きなローターリーやコーナーがあり、集団は長く伸びた状態で最終コーナーに入る。韓国が列車を組んでこのコーナーを抜け、すぐに攻撃をかけてくる。

そのまま長い距離のスプリントとなり、最後は梶原が力勝負に勝ちステージ優勝し、ボーナスタイムにより個人総合でも逆転優勝した。

頭と力で勝ち取った、ステージ優勝&個人総合優勝

梶原はこの日の集団スプリントでは、韓国チームの早掛けもあったものの短時間スプリントの得意なJUTATIP Maneephanに長い距離でのスプリント勝負に持ち込むため、敢えて早掛けしてJUTATIP Maneephanに早くスプリントをかけさせ、一度下がって後ろについてから最後にもがき直して先着した。

JUTATIP Maneephanは最後息切れして4位となり、ゴールでのボーナスタイムも獲得できず、梶原はこれにより個人総合での逆転にも成功した。この2日間、梶原と JUTATIP Maneephanは個人総合を考えながら、お互い頭と力を使いながら非常に素晴らしいスプリントをみせてくれた。

明日はUCI1.1The 60th Anniversary ‘Thai Cycling Association’ – The Golden Era Celebrationが行なわれる。この大会も日本チームでまとまって戦い、梶原悠未での優勝を狙う。

文:JCF強化コーチ 柿木孝之

(TEXT:JCF

ラスト直線での力勝負、梶原2着/The 60th Anniversary ‘Thai Cycling Association’ – The Golden Era Celebration