”クラシックレース”欧州ロードレースシーズンの幕開けを告げる春の風物詩だ。ツール・ド・フランスに代表されるステージレースの様に、数週間かけて勝敗を決めるのではなく、クラシックレースは1日で勝者が決まるため、毎戦エース級の大物選手達による壮絶なタイトル争いが繰り広げられる。
石畳(通称パヴェ)や勾配のきつい激坂がコースに含まれ、勝負所とされる石畳や激坂では特に激しいアタック合戦が頻発。単独での逃げ切り優勝や小集団スプリントでの争いとなるのが定番の流れ。
また、数あるクラシックレースの中でも「モニュメント」と呼ばれる5大レースは特に難易度が高く、格式あるレースとして位置付けられており、クラシックレースを得意とする選手達にとっては是が非でも勝ちたいレースである。
5大モニュメント。
- ロンド・ファン・フランデーレン(後述)
- パリ〜ルーベ(後述)
- リエージュ・バストーニュ・リエージュ(後述)
- ミラノ〜サンレモ
- イル・ロンバルディア
とにかく、一言でクラシックレースをまとめると”キツい”。とんでもなくキツいコースは選手を苦しめ、ロードレースファンを魅了する。
本記事では、いよいよ今週から始まる4月注目のクラシックレースについて紹介していく。
ベルギーの洗礼、ロンド・ファン・フランデーレン(ツール・デ・フランドル)
クラシックシーズンの幕開けとも言える、ベルギーはフランダース地方で開催されるシリーズ戦フランダース・クラシック。その中盤戦として開催される4月最初のビッグレースが「ロンド・ファン・フランデーレン」(別名:ツール・デ・フランドル)。先述した格式ある5大モニュメントの内の1つ。
このレースの見所はなんと言ってもレース全体を通して何度も登場する最大勾配20%超えの石畳の激坂達。
石畳+激坂の組み合わせはまさにフランダース地方特有、ベルギーらしくとんでもなくキツイコース。雨が降ると濡れた石畳は石鹸を塗ったタイルにように滑りやすくなると言われており、より厳しいレースになることも。
このレースで特に有名なのが2010年、当時敵無しであったファビアン・カンチェラーラ(引退)がレース終盤に人間離れなアタックを仕掛け優勝を果たした事である。そのあまりの強さから「自転車にモーターを隠しているのでは」と疑われたほどだ。
開催日:4月7日
距離:270km(男子)、159km(女子)
開催国:ベルギー
公式サイト