3月8日から16日まで9ステージで行なわれるBIWASE CUP2019。
最終ステージとなるStage9の舞台は、ホーチミンがゴールとなる112kmの平坦コース。日本チームは樫木と金子の個人総合1、2位を守ることに専念した。
完璧な集団コントロール
スタート直後から韓国チームなどが攻撃をかけてくるが、日本チームは早い段階でコントロールを開始する。タイチームも昨日のステージのような大逃げがないようコントロールに入ってくれたため、協力関係の中でレースが進んでいく。韓国が吸収された後もアタックがかかるが、大人数の逃げは行かせず、1名、2名の逃げのみを許して30秒から40秒差でコントロールしていく。
ラスト30kmを切ると個人総合に関係のあるアタックがかかるが、コントロールされた集団から20秒以上抜け出せる選手はいない。そのまま最後までコントロールを続けて集団スプリントに持ち込み、樫木、金子の個人総合1,2位をチームで守りきった。日本チームと協力して1日中コントロールし続けたタイチームのエーススプリンターJutatip Maneephanがこの日も集団スプリントを制した。
この日は危険な逃げが出来ても焦らず、早い段階からコントロールを開始し、スプリント勝負にしたいチームと協力関係を築くことが出来た。コントロールを崩しにかかる逃げも一切無視し、集団を支配し続けることで、他チームに攻撃の機会を与えない完璧なレース運びを行なった。この結果、9日間のステージでの団体総合でも優勝することが出来た。
BIWASE CUPを終えて
ステージレースは多くの経験を積むチャンスである。また、個人総合リーダーを抱えるとチームメンバー全員がよりレースを考えて、コミュニケーションをとりながら走らなければ個人総合を守ることが出来ない。
今回も自分達が追いかけるべきか、他のチームが追わないといけないのかの判断に迷う場面はあったが、毎日のレースの中やレース前後の話し合いで選手間の意思疎通もよりスムーズになり、信頼関係を築くことでチーム力が大きく向上した。樫木、金子はもちろん個人総合順位を支え続けた唐見、上野、石上にとっても精神的にも体力的にも大きく成長する9日間となった。
Stage9 レース結果
1 Jutatip Maneephan (タイ) 2時間45分31秒
2 Ju Pha Som Net (マレーシア) 同タイム
3 Lee Joohee (韓国) 同タイム
13 金子広美 (日本ナショナルチーム) 同タイム
24 樫木祥子(日本ナショナルチーム) 同タイム
26 唐見実世子(日本ナショナルチーム) 同タイム
30 上野みなみ(日本ナショナルチーム) 同タイム
36 石上夢乃(日本ナショナルチーム) 同タイム
個人総合成績 最終結果
1 樫木祥子 (日本ナショナルチーム) 22時間26分51秒
2 金子広美 (日本ナショナルチーム) 29秒差
3 Tran Thi Kim Ah (Xo So Kien Thiet Dong Thap) 30秒差
18 唐見実世子 (日本ナショナルチーム) 9分7秒差
39 上野みなみ (日本ナショナルチーム) 21分8秒差
(文:JCF強化コーチ 柿木孝之)
TEXT:JCF