9月20日ロードレース世界選手権2017のエリート男子タイムトライアルが行われた。レース開始前からクリストファー・フルーム(イギリス)、そしてトム・ドゥムラン(オランダ)が最有力と言われていた。

レースは曇り時々晴れという天候で開始。距離は31km、最後の3~4kmが平均勾配9.1%の厳しい坂となっており、1994年に個人タイムトライアルが世界選手権に導入されてから、史上最も短い距離の勝負となった。

グランツール並、ノルウェー観客の熱気

早朝からゴールがある山の頂上へ向け地元の人々がこの日を待ちに待ったかのように登っていく。レースが始まるころにはグランツールでもよく見られるような、観客で山が一杯、という光景がみられた。ほとんどがノルウェーの国旗なので、この国の自転車人気の高さがうかがえる。平日なのに「これほど人が集まるか!」というほど人だらけだ。

Photo by Trinadh Rakesh

このレースの目玉は最後の山岳コース。最後の3~4kmの走りに注目が集まった。中には山へ入る前に、タイムトライアル用のバイクからロードレーサーに乗り換える選手たちもおり、平地の速さだけでは勝てないことが伺えた。

どの選手が通ろうと自転車好きなノルウェーの人たちは大声で声援を送る。Photo: Lars Petter Larsen

本命たちの出走

オランダ、今大会2つめの金メダル獲得

レースは着々と進み、いよいよ本命が走り出す。

コース上にはチェックポイントが5つ。最後から3番目にスタートした注目のクリストファー・フルームは、なかなかそれまでの暫定トップタイムを更新できず。最終成績は3位でフィニッシュ。

続くトム・ドゥムラン(オランダ)はスタートから3km付近にある第1計測ポイントを暫定3位で通過。そしてそこからはどんどんとスピードを上げ、スタートから12km付近の第2計測ポイントでは、それまでのトップタイムを塗りかえ、暫定トップとなった。その後は全てのポイントでトップタイムを更新し、フィニッシュラインを超える時には、暫定トップだったスロベニアのログリッチのタイムをおよそ1分も更新してしまった。

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