9月6日:第4ステージ

第4ステージは78.9kmの平坦基調のコースで、唯一4kmの登り区間がコース中盤にあるが勾配は緩く集団ゴールとなることが予想された。

総合順位を守る戦略でレースを展開

日本チームは、ネーションズポイントランキング上位17か国に与えられるユースオリンピックの参加枠を確保するために、松田祥位の総合7位、佐藤健の総合10位、小野寺慶の総合11位を守ることをチームの最優先とした。
また、ゴール前が下りゴールのため、危険でなければ松田のスプリントでステージを狙うこととした。

スタート直後からアタックが続くが、大きなタイム差は開かず高速で進む。登り区間も集団はバラバラになることはなく山頂のKOMを松田がスプリントを制してトップ通過。

複数名のアタックがあるが、この日は距離も短く長くは続かない。日本チームの個人総合順位を危うくする逃げは行かせず、小野寺がラスト15kmほどで3名の逃げに入ったが日本チームにとっては佐藤と松田の個人総合を下げる可能性のある逃げのため無理はしない。

ネーションズポイントランキングは11位に上昇

この日はゴール近くでカザフスタンのYevgeniy FEDROVが一人抜け出し逃げ切り優勝した。先頭とタイム差なしの集団スプリントではチームとしての最後の動きがまとまらず上位には絡めなかった。

日本チームは4日間の個人総合で松田が7位、佐藤が10位、小野寺が11位と、この日だけでネーションズポイントを35点獲得。世界選手権を前に年間のポイント獲得数を68まで伸ばしネーションズカップランキングを11位まで上げた。

チームが確実に成長していることを実感

2月のアジア選手権の際にはチームとしてまとまれず惨敗したが、そこから選手の意識も大きく変わりつつある。年間を通して蠣崎優仁が司令塔となりチームをまとめ、課題はまだ多いがチーム全体で成長している。

今回のレースでも自分たちで考えて動かなければならない場面が多く、考える能力がレース結果を大きく左右することを実感できたであろう。

9月17日から始まるノルウェーの世界選手権ロードには松田祥位をエースとして蠣崎優仁、小野寺慶の3名で挑む。

Text:JCF強化コーチ 柿木 孝之

第4ステージ結果

1位:Yevgeniy FEDROV(カザフスタン)  1時間41分5秒
2位:KIM euro(韓国) 同タイム
3位:HAMDAN Wan Abdul Rahman(マレーシア) 同タイム
11位:篠田幸希 同タイム
18位:松田祥位 同タイム
19位:小野寺慶 同タイム
21位:蠣崎優仁 同タイム
24位:佐藤健 同タイム
36位:西原裕太郎 同タイム

最終個人総合成績

1位:Igor CHZHAN(カザフスタン) 9時間3分1秒
2位:Daniil Marukhin(カザフスタン) 1分41秒差
3位:BAYEMBAYEV Olzhas(カザフスタン) 2分6秒差
7位:松田祥位 3分58秒差
10位:佐藤健 5分差
11位:小野寺慶 5分20秒差
32位:篠田幸希 10分46秒差
42位:西原裕太郎 13分45秒差
47位:蠣崎優仁 18分59秒差